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あの景色

高校での三年間っていうのは、
今までの人生でいちばんくるしくてつらい時期だとも思うし、
いちばんたのしかった時期だとも思う。
いろんな想い出をつくって、
いろんな考えを知って、
この三年間で本当に成長できたのではないかと思う。

春になれば、
またあたたかい匂いを思い出して、
桜の香りに鼻をくすぐられる。
その甘さが、
私には苦い。
あのあたたかい風が、
あの子との想い出を想起させるから。
風に連れ去られ、
空に舞っていく桜は、
あっという間に吹かれて私の元を離れていく。
あの子が私から何も言わずに去ってしまったのと同じように。

目を閉じれば、
浮かんでくるあの景色。
美しいあの景色を、
夢に見ることはできるだろうか。
あわよくば、
その場所に行って見たいけど。

こんなに長く書いたのは久しぶりだ。
それだけこの高校への想いが強いっていうことなんだろうな。
なんだかんだでたのしかったな。
離れたくない。
あんなに良い先生と、
あんなにだいすきなともだちに、
もう毎日会えなくなるなんて。
本当に出会えてよかったな。
私はなるべくしてこの高校に入ったんじゃないかと、
思うほどだ。

一つ悔しいのは、
三年間皆勤賞じゃなかったこと。
だから精勤賞になってしまった。
繰り返しになるけれど、
それだけが悔いだ。

あともう一つ。
私の名前の一文字目と、
ハートが書かれたビニール傘は結局返されなかったな。(笑)
どこでなにしてるんだろう。

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高校最後の3月2日

明日、3月3日。
卒業式があります。
こうしてずっと、
SOLとともに歩み続けた三年間。
私の高校生活も、
明日で終わってしまうんですね…
なんだか本当に寂しいな……

どうしようもない喪失感の風に吹かれて、
本当に心に穴が空いたみたいでした。
水色の色紙に、
白の絵の具を溶かしたような空。
水彩画のようなそれを眺めながら、
バス停でバスを待った。
最後に少しだけ振り返って、
遠くに連なる山々を見ました。

今身にまとっているこの制服も、
明日でさよなら。
おさがり、
よくがんばったよ。(笑)
今も背丈に合わない制服だけど、
一年生のころよりは、
ぶかぶか感は減ったんじゃないかな(笑)

今日は朝のホームルームで年間の皆勤賞の賞状と図書カードをもらって、
そのあとは卒業式の予行練習。
結構省略したけど流れで通した。
一通り練習が終わって、
一二年生が退場した後、
三学年の二人以外の先生が一人ひとり話していた。
そこで改めて、
私は明日、この高校を卒業するんだなという実感がわいてきた。
するとだんだん目が冴えてきて、
眠気もふっとんでしまった。

教室に戻り運動着に着替え、
椅子を上げて机を運ぶ。
(はずだったけどともだちがしてくれた。
毎度毎度ありがとう。
最後まで本当にありがとう。)
高校生活最後の掃除をした。
今まで三年間、
本当にありがとうという気持ちをこめてほうきをはいた。
三年間がんばってきた掃除も、
今日で最後だったね。
担任の先生にデジカメで写真撮ってもらおうと思ったけど、
変わった人だと思われて笑われると思ったから辞めておいた。

相変わらず身体の疲れは抜けないし重たいけど、

この景色を、
この音を、
私の目に、
耳に刻みたかった。

帰りのホームルームでは年間での皆勤賞の賞状と景品が渡された。
白いマグカップだった。
出席番号がその中では最後だから、
色を選べる権利がなくなるのはおかしいと思った。

職員室いって寄せ書き書いてもらおうと思ったら、
途中で会議にいっちゃってかなしかった……

結局、
高校を出たのは15時すぎのことだった。

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