よけいなきず
私は、あなたのことが好きだった。
高校三年間。
同じクラス、同じ部活。
一日の大半を同じ空間で過ごした。
ちゃんと気持ちを伝えたけれど、断られちゃった。
言いたいことはまだまだたくさんあったのに、
もうフラれてるのに嫌われたくなくて、
そうだよね、ごめんねって
それでおしまいにした。
気持ちの整理がつかないまま、卒業まで過ごしたよ。
卒業して、少し経って、
久しぶりに会ったら、
後輩と付き合ってたよね。
びっくりした。
あの時、「今は彼女作る気ない」って
言ってたよね?
それなのにこんなに簡単に裏切られるんだ、って。
あなたのタイプは、そういう人なんだってその時はじめて知ったよ。
私、あなたのことなーんにも知らなかったみたい。
三年間の多くの時間を一緒に過ごしてきたのに。
知り合って一年も経たない女にあっさり取られちゃった。
きっと付き合って半年は経ってるよね。
私も三か月前に彼氏ができたよ。
あなたよりも優しくて、たくさん愛してくれる人。
すごく幸せだよ。
だから、あなたも幸せになってね。
あなたにつけられた ”よけいなきず” は
いま大きな愛で埋まったよ。
きずつけてくれてありがとう。