制服の水色が雨雲に吸いとられて 気持ちが迷子になりました 隣町で意気揚々と虹なんぞ作りおって 終わったらちゃんと返せよな
夏の鳴き声に夜は跳ねて 誰かが残したサンダルに どうか食卓の笑い話であってくれと 祈る川辺の帰り道
飛び起きた土曜日の朝 安堵と自嘲 夢に逃げ遅れた空想の生き物が天井を漂う 気持ち悪い 窓を開けて 外に逃した 外来種 生態系 なんかごめんなさい
睡気に浮かべた船にふたり 折れたオール穴の空いた船底 さあ退屈なトークでとどめを刺して やがて沈没船と名付けられるそれにふたり 海底がほら手招きしてる
下流の小石が語る 早朝の娼婦が歌う 窓辺で忘れられた花が笑う 消し忘れた月の灯り 午後の熱波でわたしは消える 少女が落としたアイスと混ざる
深い夜に触覚を光らせて餌を待つ魚 点滅信号で煙ふかして君が手を振った 静かすぎる街が掻き立てる焦燥を どうか君だけは笑っておくれ なんだその面wって感じでさ 時と場合が違ってたらマシな餌にありつけたかな フライドポテトはんぶんこにして 今日のところはおやすみよ 開かずの踏切で煙ふかして君が手を振った 電車は来ない多分あすの朝まで
颯爽とあらわれなくていい そこは空気を読んで? これでも上手に隠れているつもり 落書き通りを抜け 自販機を右に曲がる コウモリ畑につき当たって 思い出の小屋の中で膝を抱えてる ほら、いつもここにいる 帰ろうなんて吐かさないで ここは空気を読んで? 隣に座ってくれるのが わたしを堕とす正解なんだけど
とれかけのボタンみたいな都市で いつか来るその日を期待してみたり 習った玉結び忘れてしまった家庭科:2 今さら直す手立てはないんでしょう?ねえ市長 針山を何度刺したところで 君の舌打ちが止むことはないだろう ビンとカンに分けられた穴のむこう 繋がってるのは承知の上 仕分けられないこの劣情を 引き取ってくれる業者さん こちらまで連絡お待ちしております
足下の空うねりを味方に北上 視界の端に望潮 その右腕で掴むのは欲張りすぎた望み 人生なんて左腕で余るほど 前にも後ろにも行けないわたしを 笑ったあなたに同族嫌悪
薄っぺらな壁の向こうは 今日も最高気温更新で 麦茶に浮かぶ氷山も シロクマの白昼夢 やがて空は不完全燃焼の色 足りない何かを探し灯っている 代わり映えを求める僕らの 目的もない逃避行は その日暮らしな四畳半で だらしなく八日目を期待している