窓から身を乗り出して スマホをかざすクラスメイト達 あれが七色って無理があるよな 小難しい本を真っ直ぐ見つめる君が わたしにしか聞こえない声で呟いた これに返事をするのは野暮ってもんだ
小顔ローラーの効果しら 今日は君が話しかけてきた あんまり退屈な話をするから 偏頭痛が振り返してきた ドラマの録画を忘れたから その誘いまた今度♪
たまに絡まってイライラして 右と左違う音を出しあって 上手にラブソングを奏でましょう
束縛は勘弁してほしいけど 見えない何かで繋がってるのは ホンモノっぽくていいっすね
月が浮かぶ水溜り まだ見ぬ君の白い肌 夢見て今日もムーンウォーク
メイクをしたわたし メガネを外したぼく 週末に会えるシフクな関係
君の心は筒抜けさ 伸びたチーズを追う視線 一口ちょうだいって 言えばいいのに
ひとり取り残されて 変更線の端っこ雨に濡れてます
髪を切った週末 気になるのは友人の評価より 溺れた君の視線
君の笑顔にいいねしたい 君の涙拭ったりしたい 今はただ液晶なでるだけの指
だんだん私が下手くそになって 私がなんだかわからない 上手なあの子が憎ましい 黒ずんだ心は顔に出るね チクチクイガイガ なにをトガってんだか
月のメロディに 星の詞と 夜風が唄えば 君の出る幕はありゃしない
無重力の前髪 はりきれドライヤー 弱音は吐くな
これがラブソングなら 下り坂を二人乗りするところ だけどそれはやめとこう きっとポエムの世界とて 今やコンプラ違反
なんの花かわならない種を あなたはあててごらんと言う 花が咲いてあたってたら 願いをひとつ叶えてあげると 真面目に考えるフリをして わたしは必死に口角を抑えている
空は同じだよとか 古臭い言葉で慰めないで こっちはペンキみたいな青空よ 電波のむこうの雨の音 これが二人の距離の音
余韻を愉しめるほど大人じゃない 寂しいと言えるほど素直でもない おやすみなさいと呆気ない 欲しい言葉はそれじゃない 別れのタイミングの攻防戦 面倒くさいったらありゃしない
あがったりさがったり わたしのこころ 急転直下の月曜日 大暴落よあんたのせいで
月のパパラッチ 瞬くフラッシュ 眠らないふたりの スキャンダル
灯りのない道 自販機の前 せーので選んで落ちてきた 君が背伸びした 無糖コーヒー
大切なことは鉛筆で 忘れたいことは油性ペン 時は消しゴム 神様のいじわる
長さの違う小指の爪を あっけなく切って ため息をひとつ、ふたつ 君の為に髪を切る気にもなれない まじないじみた自分が くだらない ああくだらない 好きな音楽を聴いても 今日は気分もあがらない
雨が嫌いなわたしと 雨が好きなあなた 今日は午後から雨の予報 あなたは傘も持たずにあらわれた 放課後、案の定降りだした雨 あなたはずぶ濡れで靴箱をあとにした プールの授業の日はどこか嬉しそう 給食のサラダのキュウリは最後に残して ああきっとそう あなたは河童なのね わたしだけが知ってる秘密 雨が嫌いなわたしと 雨が大好きなあたな 顔はタイプだけど 河童に恋はできないわ
出会っちゃいましたね もさっとした日常に散らした 鷹の爪みたいな、一目惚れ
同じライトに照らされて 一緒に眠たくなりたい
パンのあの子はバターの香り わたしは袖にご飯粒つけて 眠そうな君は食べない派? アラームの時間をちょっと早めて さあさモリモリ食べましょう 君だけ抜け駆けは許さないぜ
すこし埃っぽい空気と それに染みついた制汗剤のにおい ため息の詰まったロッカーに 泣いてる影が座ってるベンチ 窓を開けて、放てネガティブ ほら埃のキラキラすら 希望の光に見えてきた あと少し、そこで待ってろ青春
乳白色のしあわせに浮かぶ 緑色の侵略者 台所で微笑む女は すでにやつらに洗脳されている
君の喉仏が上下した そんな風景だった
無口な君が ボリュームを2つあげて ほんの少しスピードをあげる瞬間が たまらなく好きだ