ホームに押し出された 人混みまるでところてん ところでところてんって 心太って書くんだね にゅるっと図太く生きたいね
扁桃腺で恋してる 38度5分のラブレター 熱々のうちに読まれたし
君と出会った一大事 こしらえたきび団子、あなたの為に 今はほっとけ鬼退治 むかしむかしも恋は盲目? そんな物語を愛でたし、愛でたし
削除しますか? やっとの事でついた決心を 機械ごときに揺らがされる はいといいえ 親指のヘドバンはつづく
踊り場でタバコを蒸している コーヒーを片手に 神様は案外そんな感じ 「こんばんわ」 『こんばんわ』 飛行機の点滅を見つめながら 何か音楽も聴いている 自分に浸ってる 『欲張りすぎだろ』 何か独り言も言っている 案外こんな感じ
自由帳がきらい 自由すぎてきらい プリントの隅、机の角 なぜか上手に描けるからすき
泉のほとり 震えている人魚をみた 目があって 長い髪を翻えすと 涼しい顔で水中へと帰っていった イメージを守るのも大変だ
いい夢に入れて 出口を知らないまま ここで生活ができたらって 住民票をとりに 役所まで来たけど 今日は日曜 なんだよもう
窓に深いため息 白く浮かび上がったのは 君が冬に残していった へのへのもへじ
適当な鼻歌が そのうち「あの曲」になって 隣で聞いてた君が吹きだした夜 パーカーはまだ暑いでしょって 強気だった君が肘のあたりを摩ってる それを腕ごと抱き寄せる 首元の蝶々が羽ばたいた 視線の先には少し欠けた月 名前もない月も君とだったら 満月よりも満足できる
くだらないことで喧嘩して わたしらまだまだひよっこですな
月明かりの桟橋で 出会った君はユニコーン ウニコーンって読み間違えたのを 根に持っているのですね
アナタマチクビナガザルは 長きに渡る孤独の末 昨夜、 この世から姿を消しました
食べすぎるのも 眠たいのも 切ないのも 秋のせい ほぼ秋のせい あとの2割はあんたのせい
金木犀のこんにちはが香ったら お気に入りのパーカーに腕をとおす お腹のポケットは四次元で 洗濯機にかけた映画の半券が あいつとの思い出ごと丸まってら
距離感をうしなって プリントを回す君の手に わざとらしく触れても この眼帯に免じて
君が立つ定位置 私が向ける不快 その中間にあるテーブルに 今宵の不満をストレートフラッシュ
右のワイパーはあなた 左のワイパーはわたし 重なることのない雨の日に 拭う涙もセルフサービス
沈む夕日に吸い込まれる 帰りの電車ひとりきり このままどこか知らない駅まで そんなセンチメンタルを それはムリだと財布が笑う
あくびを奪った太陽光 そこにはただ大口をあけた君が 2秒後の照れ笑いが 心のシャッターチャンス
シフトは火水 あなたがいるから 汗でしょっぱい唇が 甘く感じる3時間
3階の踊り場から手が触れそうな しかめっ面な三日月 馬鹿みたいにはりきった太陽を 睨んでいるに違いない
骨組みだけの海の家 大型犬のけんけんぱ 2秒後に消えた二人の名前 いつの間にか撮られた寝顔 短い夏の小さな記録 寒いねって言葉が似合う季節に また思い出したいね
コシタタンタン アシトトントン 馬鹿のフリして お前の喉元狙ってるぜ
子供みたいにふーふーしてる その顔でごはん三杯はいけるよね
部活のあとの汗 嘘をついたときの汗 お風呂あがりの汗 悪い夢をみたときの汗 昨日飲んだタピオカミルクティーは どの場面で頬を流れたのか
2月の起き抜けのフローリング 裾から忍び入る木枯し 指の隙間から漏れる白い息 終業式で派手にスベる校長
急な誘い 嬉しいんだけど 今日は会えない
死際に 人生のこれまで ノートに書き殴る 生まれた日の事 あなたと出会った事 あなたが先立った事 2、3ページで済む 大した事のない日々 残りのページは 来世にとっておくから 次はあなたが書いてよね
そそいだ麦茶ごしに見る 琥珀色の部屋は夏っぺぇ
窓から身を乗り出して スマホをかざすクラスメイト達 あれが七色って無理があるよな 小難しい本を真っ直ぐ見つめる君が わたしにしか聞こえない声で呟いた これに返事をするのは野暮ってもんだ
小顔ローラーの効果しら 今日は君が話しかけてきた あんまり退屈な話をするから 偏頭痛が振り返してきた ドラマの録画を忘れたから その誘いまた今度♪
たまに絡まってイライラして 右と左違う音を出しあって 上手にラブソングを奏でましょう
束縛は勘弁してほしいけど 見えない何かで繋がってるのは ホンモノっぽくていいっすね
月が浮かぶ水溜り まだ見ぬ君の白い肌 夢見て今日もムーンウォーク
メイクをしたわたし メガネを外したぼく 週末に会えるシフクな関係
君の心は筒抜けさ 伸びたチーズを追う視線 一口ちょうだいって 言えばいいのに
ひとり取り残されて 変更線の端っこ雨に濡れてます
髪を切った週末 気になるのは友人の評価より 溺れた君の視線
君の笑顔にいいねしたい 君の涙拭ったりしたい 今はただ液晶なでるだけの指
だんだん私が下手くそになって 私がなんだかわからない 上手なあの子が憎ましい 黒ずんだ心は顔に出るね チクチクイガイガ なにをトガってんだか
月のメロディに 星の詞と 夜風が唄えば 君の出る幕はありゃしない
無重力の前髪 はりきれドライヤー 弱音は吐くな
これがラブソングなら 下り坂を二人乗りするところ だけどそれはやめとこう きっとポエムの世界とて 今やコンプラ違反
なんの花かわならない種を あなたはあててごらんと言う 花が咲いてあたってたら 願いをひとつ叶えてあげると 真面目に考えるフリをして わたしは必死に口角を抑えている
空は同じだよとか 古臭い言葉で慰めないで こっちはペンキみたいな青空よ 電波のむこうの雨の音 これが二人の距離の音
余韻を愉しめるほど大人じゃない 寂しいと言えるほど素直でもない おやすみなさいと呆気ない 欲しい言葉はそれじゃない 別れのタイミングの攻防戦 面倒くさいったらありゃしない
あがったりさがったり わたしのこころ 急転直下の月曜日 大暴落よあんたのせいで
月のパパラッチ 瞬くフラッシュ 眠らないふたりの スキャンダル
灯りのない道 自販機の前 せーので選んで落ちてきた 君が背伸びした 無糖コーヒー