大切なことは鉛筆で 忘れたいことは油性ペン 時は消しゴム 神様のいじわる
長さの違う小指の爪を あっけなく切って ため息をひとつ、ふたつ 君の為に髪を切る気にもなれない まじないじみた自分が くだらない ああくだらない 好きな音楽を聴いても 今日は気分もあがらない
雨が嫌いなわたしと 雨が好きなあなた 今日は午後から雨の予報 あなたは傘も持たずにあらわれた 放課後、案の定降りだした雨 あなたはずぶ濡れで靴箱をあとにした プールの授業の日はどこか嬉しそう 給食のサラダのキュウリは最後に残して ああきっとそう あなたは河童なのね わたしだけが知ってる秘密 雨が嫌いなわたしと 雨が大好きなあたな 顔はタイプだけど 河童に恋はできないわ
出会っちゃいましたね もさっとした日常に散らした 鷹の爪みたいな、一目惚れ
同じライトに照らされて 一緒に眠たくなりたい
パンのあの子はバターの香り わたしは袖にご飯粒つけて 眠そうな君は食べない派? アラームの時間をちょっと早めて さあさモリモリ食べましょう 君だけ抜け駆けは許さないぜ
すこし埃っぽい空気と それに染みついた制汗剤のにおい ため息の詰まったロッカーに 泣いてる影が座ってるベンチ 窓を開けて、放てネガティブ ほら埃のキラキラすら 希望の光に見えてきた あと少し、そこで待ってろ青春
乳白色のしあわせに浮かぶ 緑色の侵略者 台所で微笑む女は すでにやつらに洗脳されている
君の喉仏が上下した そんな風景だった
無口な君が ボリュームを2つあげて ほんの少しスピードをあげる瞬間が たまらなく好きだ
もっと近くでよく見せて 遠くじゃぼやけてしまうから もっと近くに寄ってきて でもあんまり調子にのらないで こっから先は立ち入り禁止
むしった毛玉の数に比例して 何度も消されてった言葉たち これは恐らくだけど 丸めて君にぶつけたら 振り向きくらいしてくれるんじゃないか
君が向けるその視線は 透けたシャツの奥の下心か 温めたいと願う真心か
夕焼け空が いい感じにスープ色で すすった初夏の風は どこかバリカタ
あっちむいてホイで南風 プリント舞ってやる気もホイ
襟にはさまった桜の花びら とまってた時が 部屋の片隅に落ちました
なあなあ まほろばってなんだね? それはな 君の隣、とかじゃないかな
彼氏やん、もはや彼氏やん 昼夜とわず抱き合って 不埒やん、めっちゃ不埒やん 耳元で名前ささやいて 破廉恥きわまりな、 こらお母さん ノックくらいしやしゃんせ
親指はさっきの店員で 人差し指はとなりの席のあいつで 中指はお母さん 薬指はテレビの向こうの政治家で 小指は、 思いつかないから君でいいや だからなんとなく切らないであげよう