油性の悪口だ 石鹸で取れないから カッターで削いだのだ 陰湿を感知した除湿機に 赤いランプが点る 月曜日の引力がつくるさざ波 死にたい夜にも眠気はくるものだ
まあいいや よくはないけど やっぱいいや 全然よくはないんだけど 諦めは薬 頭の痛い口論 お腹の痛い空間 別にいいよ それでいいよ 動悸・息切れ どうせいまだけ
がんばるひとを見送って いっときの焦燥感 とうとう今年も変われなかったね 繭の外は最高気温 また次の春が来たら起こしてよ
雨にぬれて わたしが模られる 雨はきらいだ あまえさえいなければ 傷つかずにすんだのに 雨にぬれて 透明なわたしが模られる あ、いたんだ そんな人生だ
しくじった 寝よ あーやだやだ もう寝よ 全部忘れよ 夢の中でも怒られてら 夢の中でも寝てやろ そうしよ
慰めてくれてありがとう声を掛けてくれてありがとうそれでも僕の明日は変わらないのだけど
悲観主義の眼球をどうにかしたくて眼科に相談したら他をあたってとたらい回し
夜が明けて今日が終わる抜け落ちた平穏を掃除機が吸って吐いた溜め息がおまえの町に吹くだろう
僕の目を見てありがとうと言う君違うんだ僕はあの日あの時あの場所でただ君を見ていただけの人間なんだ僕はその感謝を受けとる資格はないんだ
砂漠の真ん中でみつけた自動販売機サイフはきのう棄てたリュックの中だ