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小説

巣ごもりをして、早くも十年が経ちました。
家に一通、鼠色の文字で僕の名前が書かれた不幸の手紙が届きました。
高校の頃の同級生が転落死したらしいです。
同級生の死の理由は僕にはわかりません。
僕は、葬式何てものは行く気もありません。
なので、気が付けば僕は市の指定された燃やせるゴミ袋に捨てました。
生まれて私、一度も人を好きになったことがありません。
恋人零、恋愛経験零、恋愛感情零の私。
部屋の壁にはアイドルのグラビアのポスターを貼っています。
今日も相変わらずかわいい子に囲まれ汚部屋に住んでいます。
先週の食事のゴミが散乱している部屋に住んでいます。
洗濯物はたまりっぱなしです。
台所は洗っていない食器でいっぱい。
飼っているネズミがちゅうちゅうと鳴く。
僕はネズミに餌をやり、さっさと外に出る。
外は晴れていて、さっきまで降っていた雨は止んでいる。
世界は僕だけをおいて回っている。
気晴らしに買い物に出かけたら、同級生に会った。
「おー、お前ひさしぶりだな~、元気か?就活やっているかー?」と僕に聞く。
ああ、僕は将来についてお先真っ暗です。
自分が惨めにおもってきました。
「うん、一応やっているよ」と僕は咄嗟に嘘をついた。
どうだっていい。
僕は買い物先で同級生に会ったことで苛立った。
買い物なんてないから家に帰り鼠に語り掛けた。
「ねー、チューちゃん、僕の人生お先真っ暗なのかな?」と僕は鼠を抱きかかえて呟いた。
鼠はチューチュー言っている。
まるで僕を見下しているかのように。
突然雷雨が降ってきた。
テレビからは、大雨洪水警報のアラームが鳴っている。