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NO MUSIC NO LIFE #1

先日お伝えした通り、新しく一から書き始めます!
あ、変わらずいろんな人物の視点で書きますよ!(基本的には結月視点ですが)それでは本編どうぞ!
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結月視点

「はあ、もう高校生か。意外と早かったな。」
そうつぶやく僕。桜が咲き乱れる学校の前。季節はもう、すっかり春だった。きっと、学校が始まったところで、僕らの日々は大して変わらないのだろう。
そうやってため息をついていれば、後ろから高いかわいらしい声が聞こえてきた。
「おはよう!結月!」
相変わらず元気なその子——中村 時雨に「おはよ。」そう返すと
「えー、なんかテンション低いね。」と返ってきた。お前が元気すぎるんだよ、と思っていればまた後ろから声がした。それから間もなく、体に衝撃が走る。
「結月ー!学校楽しみだね!」と言いながら僕に抱きついてきたのは、涼花ーー高嶺 涼花だった。涼花の言葉に「そうだな。」なんて適当に返事をした。
すると、「結月ちゃん、制服似合ってるよ。かわいい!普段からもっとスカートはいてよー。」と声がした。
この声は蒼汰——夏目 蒼汰だ。僕は言葉を返さなかった。そうしていれば、
「結月ちゃん!?無視!?ねえ、ひどい!返事ぐらいしてよ!」そんな懇願に一言返した。
「うるせえ。」
僕は正直に言えば、女子っぽく振舞うのが苦手だし、好きではない。女子なのに口調も男っぽいし、一人称も僕なので、いじめられることや、気味悪がられることも少なくなかった。こんな僕でも仲良くしてくれる今の友達にはとても感謝している。
「ねえ、塩対応過ぎない!?」
「相変わらず、蒼汰は結月に冷たくされてるね。」と時雨ちゃんが言う。
「本当に可哀想だよね~。あ、結月、学校終わったら一緒にゲーセン行かない?」蒼汰に対して可哀想とか全く思ってないであろう爽やかな笑顔で、
僕をゲーセンに誘ったのは春樹——橘 春樹だった。
「うん、行く。」そう答えると涼花が「私も行くー!!」と言った。
それを聞いた春樹が小さく舌打ちをしてから、「いいよ、涼花ちゃんもおいで。」と爽やかな笑顔で返した。今日なんか、春樹機嫌悪いな。
【続く】