"ルンルンBOY”
表紙は茶髪の男の子が踊っている様子が描かれている。
「この子が、僕?」
「うん。これ貸してあげるよ」
「いいの?」
僕はこの本を抱えて店を出た。
家に帰って自分の部屋に入るとベッドにダイブした。そして、『ルンルンBOY』を開いた。
32ページあるこの本を読み進めていく。
僕とそっくりだった。王が来るまでは。王が登場すると憧れにかわった。
5分かけて読み終わると、すぐに感想を伝えたくなった。
だから、もう1度商店街へ駆け出した。
おにいさんは本の整理をしていた。
「読んだ!」
「おっ、早いね。どうだった?」
「面白かった!」
「良かった」
しばらく僕が話していると、言われた。
「君は"ルンルンBOY”だね」