夢のあとは、 椿だけが静かに眠っている。 横たわった身体を白いレースが包む。 ゆらり、ふわり、溶けていく。 そこには、もう、君はいない。
届けてしまった。 でも何も言えなかった。 私の弱さは、この一粒のチョコレート。
私は5つ持っています。 持っている数なんて皆同じではないでしょう。 君は幾つ持っていますか。
手を伸ばしたら届くのに触れられないのは、 触れた時の高鳴りをまだ取っておきたいからかな。
夢を見た。 わたしとだれかが話していた。 糸電話のむこうにいたのは君だったかな。 くすくす笑っていたのは、 君の声の振動が伝わってきたから。
永遠なんて何処にも無いから、 私たちは永遠を求めてしまう。
私が終わって、 君が終わって、 その先の絶対的な終わりを、 意味もなく恐れている。
見つめていたいのに、目を逸らす。 あなたと目が合ってしまうのが怖くて。 私のこの視線は泳いでしまう。 あなたみたいにまっすぐ前を見ていたい。
どうしても忘れられないのは、 あの日見た夢のはずなのに、 生きていくほど薄まっていく。 生きれば、生きるほど、 私の中に意味のない水が溜まっていく。 夢は夜に溶けて、どこかへ行ってしまうのかな。
いつもこの街。 君はいない。 現実との乖離が、 僕の朝を震わせる。