『お気に入りの言葉』
『優しすぎるから。
君は優しすぎるから。
誰も傷つけずに自分を傷つける。
無理していなした傷が
無理してよそ見したままの涙が
積もり積もって
もう取り返しがつかなくて
溢れ出したのだろう。
助けてって何度も何度も叫んだのだろう。』
周波数が違う鯨のように
何度も叫んだ声は届かない。
周りと違うことで
不便はきっとあるだろう。
でもそれが
独りだと言うのとは違う。
僕の周波数が違うなら
この世の何処かに同じ周波数がある。
その周波数を手繰り寄せるだけだ。
取り返しがつかないことなんてない。
今ならまだ間に合うから。
一歩だけ戻ってみよう。
隣にはきっと
同じ周波数の誰かがいる。