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不器用

「今日もかわいいな〜」心の中でささやく。

3月になり、過ごしやすくなってきたある日のこと。
もうすぐで修了式。「今の学年が終わる前に、伝えないと。」そう思った僕は、その人に声をかけた。
「最近、過ごしやすくなってきたね」
(まずは軽い世間話から始めよう)
「そうだね。でも、めずらしくそっちから声かけてくれたね。なんかあったの?」
(予想外の返事だ。ここまでは考えてなかった)
「まあね。あ、次の授業、畑の整備だって。来年度に
向けて、少し広くするらしいんだ。」
(とりあえず授業の話をしよう)
「へぇ〜。そうなんだ。でも、大変そうだね。」
「そうだね。」
(なんとか世間話はできた…)

チャイムが鳴り響く。畑の前に集合した僕たちは、
早速畑の整備に取りかかった。
「じゃあ、〇〇は、〇〇さんとその辺の雑草抜いて。
間違って植えた種の草抜いたらどうなるか分かってるな」先生が言った。
(え?!あの人と2人でこのエリアやるの?!!)
少し驚いた。でも、顔には出てなくて安心した。
(まあ、とりあえずやるか。)
僕はいつも通り雑草を抜く。雑草を抜いたらその場所の土を軽く戻す。基本はそれの繰り返しだ。
あの人は僕から少し離れた場所でやっている。
僕はふとあの人の方向を見る。
(ちょっと大変そうだな。手伝いにいこう)
「大変そうだね。手伝うよ。」
「ありがとう。」
そのあとしばらく、2人で同じ場所を整備した。
(… 会話できない。でもなぜだか居心地が良い。)

つづく… かも?