人物語
あるところに、不器用な生き物がいました。
それはそれは、小さなことで傷つく 脆い心でした
誰かの顔色をうかがっては、自分の色を塗りつぶして
おやおや、また泣いていますね
今日も誰かのために笑っているのでしょうか
隣の芝生が 青く見えているのでしょうね
心が空っぽな時は、愛を探している証なのでしょう。
今日もヒトは、人を演じているのでしょう。
また、あるところに欲張りな生き物がいました。
それはそれは、手放すことができない 臆病な手でした。
それは、「失いたくない」という、
愛ゆえの 愚かさなのでしょうね。
人はそれでも、明日を信じて眠りにつく
絶望の淵でさえ、希望という種を植える。
今日も、人は命を繋いでいくのでしょうか
痛みを知るたびに 優しくなれるのでしょうね
重いまぶたを開けた時は、世界が始まろうとしているのでしょう
あぁ、なんて美しい物語なのでしょう