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第三回ショートポエム選手権授賞式閉会のことば(後編)

続きだよ。

なんだか言い訳に聞こえてしまうかもしれませんが念の為言っておきます。
今回の選手権、審査員のただの好みです。詩に貴賎なし。全てそれぞれ私個人としては(これもまた主観ですが)それぞれの魅力があると思いましたし、もちろんまだ洗練不十分な言葉もありましたが(上から目線でごめんね、私もまだまだなのに)、それゆえ見えてくる感情や、情景、思想、様々なものがありました。選手権なんぞなくとも、あなたの詩は何より素晴らしい。
ただ、最近はレスの送り合いもなんだかあまり見受けられず、自分の詩の感想を受け取る機会が少ないのでは、と思ったのです。もちろん他人の評価が全てではありませんが、自分以外の視点で自分の詩を見てもらうことは少なからず刺激になるでしょうし、何より嬉しいでしょう?(笑)
これを機に、もっと気軽に感想を送りあえるポエム掲示板にしていってほしいな、なんて先輩風を吹かせたりしてみます。私ももっと感想書きたいと思います。

夢を描いたあなたの短い、小さな詩が、あなたの、誰かの夢を花開かせることを祈って。

ご参加本当にありがとうございました。反響によっては第四回もやるかもね。
memento moriでした。ではまた。

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第三回ショートポエム選手権授賞式閉会のことば(前編)

総応募作品数39。想定を大幅に上回る参加数に私は歓喜してございます。
こんばんは皆さん、memento moriです。
3年前に私がほんの思いつきで始めたこのショートポエム選手権(もうそんな前なんだね……)、再び開催することが出来たことを本当に嬉しく思っています。

さてさて、前置きもそこそこに、今回のテーマについてお話していきたいと思います。
今回は『夢』をテーマとさせて頂きました。皆さんが描く多種多様な『夢』のかたち、シンプルなものから複雑に意味が織り込まれたものまでたくさんありました。それを観ているだけでもとても楽しませていただきました。
そして恒例、裏テーマ、というものを今回も設定しておりました。それは、
『日常』
です。
眠っている間の夢というのは、起きている間に蓄積された記憶を整理している最中の処理によって引き起こされるものだそうです。夢、と聞くと、どこか非現実的な、空想のようなものを思い浮かべてしまいます。「夢物語」という言葉があるほどですね。ですが、夢というものはむしろ私たちの現実によってできているものです。現実そのもの、とさえ言えるかもしれません。
将来への希望を 夢 と呼ぶのは、それが決して絵空事というのではなく、現実、日常の延長線にこそ存在するものなのだからかもしれません。
こんなような思考実験から、『夢』と『日常』を乖離することなく、同一の直線上に見ている作品を少し期待していたのですが、その意図をくみ取ってくれたのか知らずか、なかなかどうしてそういう作品もチラホラと見受けられました。私の賞にも一つ上げさせていただきましたしね。裏テーマには賞は設けませんでしたが、「しめしめ」なんて思ってくれたら幸いです。(笑)

後編へ続く

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ショートポエム選手権授賞式〜*紫乃*〜

『ショートポエム賞』
「獏」 Tohofantasy
>>>この作品ははたった15文字にも関わらず確実に「詩」で考えれば考えるほど広がっていき、ショートポエムというコンセプトからしても素晴らしい作品だと思い選ばせて頂きました。勿論単純に字数が少ないということではなく、15文字の中に情操を生み出す技量がすごいと思います。
獏が食べてくれたのは睡眠時に見た夢なのか、それは悪夢なのか、いや悪夢とは限らない、或いはもっと違った意味の夢だったのか、それはどんな夢だったのか?深読みなのですが作品には「ぼく」以外出てこないのに「ぼく」以外の人物の存在さえ考えてしまいました。そして「食べてくれたんだね」という表現には優しさ、哀愁、安堵、色々な筆舌しがたい感情が感じられます。

『立体詩賞』
「無意識下の心象風景」何かが崩壊している者
>>>文字の集合に過ぎないのにタイトル通り立体の「無意識下の心象風景」に入り込んで深層を揺蕩っているような感覚がします。自分の精神は自分で理解しているような気がしてでももっと奥深くの精神世界は底が知れず自分でも分からない、そしてそこは無闇に掘り返すべきではない領域だったと掘り返した後で知る絶望。
平面の記号の集合に過ぎないのに人を引きずり込むような立体感に惹かれました。空白の使い方や改行の仕方が違えばまた違う心象風景が作り出せたのかと思うととても面白いと思います。恐らくこれはパソコンで書かれたのかと思いますがスマホ版で見ても良かったです。

受賞者の皆様おめでとうございます。

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ショートポエム選手権授賞式〜memento mori〜

では僭越ながら私から。

『Eternal Moment賞』
「夢」ららいちご

>>>夜、目を閉じてから朝目覚めるまで、一瞬の瞬きに思える程の深い眠りの中で出会う「君」は、現実の「君」をはるか遠くに感じてしまうほど近く、それを夢だと知ってしまうが故の切なさ、どうしようもなさがとても現れている素晴らしい4行です。
 かと思えば、遠い「君」を思いながらふとした瞬きの一瞬に遥かなトリップを遂げ、「君」のもとへたどり着いてしまうほどの強い想い。瞬きの度に夢を見ているのだろうか、なんて考えれば、まぶたの裏から広がる世界に思いを馳せてみたり。
 秘められた世界は計り知れません。感服。

『Hurted Dream賞』
「夢か現か」山川海

>>>なぜこれが“夢”なのだろう、ということから始まりました。美しく輝かしい、夢見て描きなす“夢”は、その実傷だらけの自分にこそ描きなしえた、ということなのでしょうか。砕かれてこそ、削られてこそ輝く“夢”のような人生。いや、それこそが夢なのかもしれません。深い。

『Nata de coco賞』
「橙崩壊柑橘色夢」カチョフのしゃちほこ
>>>ああ、これぞ夢だなあ、と感じました。取り留めのない単語やフレーズの羅列のような、それでいて滲み漏れ出てくるような愛しさだったりの感情、よりももっと小さな単位の気持ち。ニュアンスだけでこうも胸にグンと来るような詩です。素敵。



素晴らしい作品たちをありがとう。
では、次に参ります。

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ショートポエム選手権授賞式〜三日月マカロン〜

三日月マカロンさんからははじめの挨拶も頂きました。

>>>まずはじめに。今回の選考は完璧に私の独断と偏見です。私は誰かの想いから生まれたことばに優劣なんて付けれないし、どうしても主観が入って平等に見るのは不可能です。だから、私は私がいいなと思ったのをいくつか挙げさせてもらいました。また、選考理由が薄い内容となっていますが、皆さんの素敵な作品の世界に触れ語彙力喪失したということでご容赦ください(笑)



『幻想』
「獏」Tohofantasy
>>>テーマの「夢」って言葉が入っていないのに、タイトルと一文でテーマを示唆しているところがすき。少ないことばに詰め込まれた世界観が素敵です。

『流麗』
「トロイメライ」神崎シノア
>>>美しい。ひとつの完成した彼女の世界観に触れることの出来る作品だなと思いました。言葉選び、文字選び、音選びひとつひとつが丁寧で美しいです。

『可憐』
「夢日記」かりんとういもけんぴ
>>>「にじいろ鉛筆でくるくる」っていう一文が良いなと思って選ばせてもらいました。この一文が「夢」を表してる気がしてます。

以上となります。受賞者の皆様おめでとうございます。
では次へと参りましょう。