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神様が与えた私たちへの罪 No.1

「あ?今何て言った?」
「だから、そこどけよって」
「お前いい加減にせーよ。俺は今ここにおるからどかんで。あっち通ったらええやんけ」
「いや、周りの迷惑って分かってないん?アホちゃうか」
「アホで何が悪いねん」
また、戦いが始まった。ヒロトとユウタが取っ組み合いになって、周りにいた生徒が先生を呼びに行く。お決まり事だ。
私はというと、本を読んでいる。これもお決まり事。
こんなやつら、無視しておけ。
それが私の考え。
すぐに、先生が止めに来た。ヒロトの方が顔を真っ赤にして教室から連れ去られていく。それに対してユウタは冷静だ。もう1人の先生が事情を聞いている。
「ねぇ、みっちゃん、またケンカだね。何であんな怒るのかな?素直にどけばいいのに」
「うん。でも、私たちには関係ないでしょ?ほっとこ」
コウは優しく声をかけてくれる。でも、照れくさいからいつも素っ気ない。本当はしっかり話したいけど。

5時間目を告げるチャイムがなった。
国語か。国語は好きだ。本が好きなのだから。

5時間目終わりを告げるチャイムがなった。
あと1時間。6時間目は総合。楽だ。

家に帰っても、お菓子を食べて、本を読む。ただそれだけだ。
あともう3ヶ月もしないで卒業。
中学生だ。