言葉
言葉が飛び交う教室
言葉はカラフルに染まって
僕にはその見えない色が分かる
教室の机が小さかった頃
言葉はすべてひらがなで
春風のような色をして
体と心は柔らかく優しかった
机が大きくなった頃
難しい漢字が交じった
春風は去ってしまって
それでも美しかった色
体と心は丸くはないけれど明るかった
ランドセルが消えた頃
言葉は少なくなった
みんな俯いて淡い光を顔に浴びる
縮こまって指だけ器用に動かして
たまに言葉が飛び出したと思えば
濁り切って汚れ切った色
体と心は鋭いナイフだった
なぜこうなってしまったの
僕の視界は鈍色
僕の心は爆弾
これがみんなの意思なの