磨羯造物茶会 Act 27
「前に”次この街に来たら今度こそ決着をつけよう“と約束をしたのに…それを放棄して逃げるなんて、お前も落ちたもんだな」
「ま、年月を経て私も変わったのよ」
ピスケスは不意に笑みを消してこぼす。
「私にも、何よりも優先したいものができた」
ただそれだけ、とピスケスは右手に短弓を生成する。
「ふぅん」
それは、そこの”黒い蝶“のことか?とカプリコルヌスはいつの間にか地面から立ち上がってかすみたちの傍に移動していたナツィの方を見やった。
ピスケスは少し違うわね、と微笑む。
「腐れ縁みたいな仲間たちと、のんびりお茶でもしている時間かしら?」
「そうかい」
カプリコルヌスはそう言って騎槍を下ろす。
そして、右脚のホルスターに納めていた短剣を抜き取った。
「そんなことで決闘を放棄するっていうのか」
カプリコルヌスは短剣をピスケスに突きつける。
ピスケスは…あら、そこまで言ってないわよ?と首を傾げた。