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変わっていくクリスマス

チキンは野菜炒めに ケーキはゼリーに変わる
これも全部 私を苦しめる胃もたれのせいなんだ
 
そして今年もサンタクロースはやって来ない
キラキラ輝いていた時期は色褪せてしまった
せめて夢では ふわふわした心地よい日になりますように

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 18.メドゥーサ ⑲

「ボク、探しに行って来る」
ネロの言葉に耀平はえ?と返す。
「探すって…」
彼はそう言いかけたが、ネロはメイが向かったであろうお手洗いの方へ駆け出した。
「ちょ、ちょっと待て!」
お前1人で人探しは大変だぞ‼と耀平は彼女を呼び留めようとする。
しかしネロはそのまま走り去っていった。
「…」
その場に沈黙が下りてくる。
「耀平」
ネロを追うぞ、と師郎は耀平を促す。
「あ、あぁ」
耀平がそううなずくと、わたし達はネロの後を追いかけ始めた。

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曜日の妖精【4】

「どっ…どうしようほんとにどうしよう!もう冬休みになっちゃうよ!?」
「…どした、そんな喚き散らして」
慌てて自室に駆け込んできた桃に、その小さな図体に見合わない低い声がかけられる。
「木曜日!あっもう木曜日!」
「ど、どしたの」
木曜日は、ふんわりとした、ジト目のプードルっぽい栗色の妖精である。ちなみに寡黙気味だ。
「と、友達の誕プレ買ってない…!ああもう!終業式25日だよぉ…もう日にちないのに」
「…作るとか…土日に買って渡すわけにはいかないの」
「ああなるほど、土日に買えば良いのか!」
「…」
木曜日はため息をついて身体を丸めた。

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タイトルとあらすじとキャラだけ決まってるやつ

【52Hzのうさぎ】
AIの反乱で崩壊した世界にただ一人生き残った、愛を信じられない少女音兎(おと)。科学者たちの足掻きによってAIすらも崩壊したこの世界で、音兎は配達途中だったであろう手紙の山を見つける。手紙を一つひとつ読みながら、皆が思っていた“愛”を想像していく。

【世界のコントローラー】
幼馴染の小夏(こなつ)と奏太(そうた)は、暮らしている村の山に建っている神社で桐箱を見つける。同時に現れた、二人の祖先だと言う枉夏(おうか)と祀夕(しゆう)。その出会いが、二人の運命を動かす。

【鉄の唄】
アンドロイドも「感情」を持つことが当たり前の世界。アンドロイドであるヴィオは、ずっと何かを探している気がしていた。それは、温かくて、優しくて、愛おしいもの。「感情」とはなんだろうか。

【僕らの声はいつだって消えやしないんだ】
歌うのが大好きな少女聖(せい)は、普段公園で子どもたちとよく歌っていた。それを聴いた純(じゅん)と類(るい)は、自分たちで創部する軽音部のボーカルとしてスカウトする。しかし聖は、ある問題を抱えていた。

【雨の獣】
一人一つ何かの動物を司る家系、緋川家。トラを司って生まれた虎(とら)は、天賦の才を備えていなかった。それと対照的に、末っ子の珠音(たまね)はネコを司り、炎を操る力を持っていた。両親は珠音に厳しい訓練を強いる。虎は珠音を連れて緋川家から出ることを決意。二人は追手から逃げながら、外の世界で幸せに暮らしていく――はずだった。

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すれ違い

出会いたい人に出会えない世界の広さを嘆く頃に
数ヶ月前のあの人の足音がした

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クリスマス小説祭!

少々お早いですが、皆様、メリークリスマス!
まことに勝手ながら、僕、やたろうサンタから皆様へプレゼントのお知らせです!
その名も「クリスマス小説祭」!
この投稿に、「こんな作品書いてみて」、「こんな作品書いてみろや」、「この作品の裏設定とか誕生秘話を教えろ」などのレスをください。
自己解釈&性格丸出しな感じにはなりますが、執筆&回答します。
対象は本日から十二月二十五日迄のレスです。
皆様是非ご参加ください!

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休み時間

踏んだとき、ねちょっと音がした。
正体なんか分からない。
分かりたくもない。

なぁ、あそこのトイレ、太郎がいるってよ。
太郎って誰?
あのトイレで有名な花子の友達。
初めて聞いたわ。
いや、俺も聞いたことない。
じゃあ冗談かよ。
ま、そうなるな。ごめんごめん。
2回言うと気持ち入ってないのばれるぞ。
えー。気持ち入ってるよー。
ちょっとトイレ行ってくる。
わ、勇気あるね。
うっさいな。ちなみにどこのトイレ?
A棟6階の1番奥。そこまで行くの?
今日寒いもん。早く帰って来る。
待つの面倒だな。先勉強してて良い?
勝手にしとけよ。
花子は隣の女子トイレだよー。
行かねえし。
えー。つまんないな。
お前が行けよ。
遠いから嫌だ。この学校の敷地、何でこんなに広いの。
知らんけど、その分怪談も多いよな。
妖怪協会の会長がこの学校の妖怪っていうのも聞いたことある。
まじで?信じられないけど。
嘘です。ごめんなさい。

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廻るは因果、故に舞い散る桜の刃 四

陽当たりの良い縁側に座っていたのは、長髪の、着物姿の老婆。
老婆は軽く会釈をした。
手には、小ぶりな壺が一つ。
桜音は声をかけた。

「何時も有難う御座います、少々お待ちください。今、お茶を淹れますので...。」

老婆はニコニコと尋ねた。

「有難う、体調は如何だい?」
「ええ。大丈夫です、お陰様で。」

桜音はお茶を淹れる為に台所へ向かった。
老婆の正体は、『砂かけ婆』である。
月に数度、薬や仕事用の砂を届けに来てくれるのだ。
光は昔、彼女の後輩だったらしく、未だに「姐さん」呼びが抜けない。

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視える世界を超えて キャラクター紹介②

・種枚さん
鎌鼬くんを鎌鼬くんにした種枚さん。鎌鼬(妖怪)をボコボコにしていたところに遭遇した、当時まだ鎌鼬くんではなかった鎌鼬くんに鎌鼬(妖怪)の生き血をシェアしてあげた結果、鎌鼬くんは鎌鼬くんになった。
霊感をあげた相手のことを「息子/娘」と呼んでいる。ちなみに娘も一人いる。
霊感をあげる絵面は「怪異にかぶりつく→相手の顔を捕まえて片手で口を開けさせた状態に固定する→怪異の生き血を口移しで相手の口にだばぁする」なのでかなりホラー寄り。これ以上本気で誰かに霊感をあげるつもりは無いようです。

・鎌鼬
年齢:高校生  性別:男  身長:170㎝
種枚によって霊感を得た少年。いうなれば弟子。その時に喰らった怪異存在の性質が肉体に表出し、【鎌鼬第一陣】の力を得た。怪異の力に半分くらい飲み込まれかけていて、油断してると人間を捨てそうになるので、その度に種枚にボコられる。
※【鎌鼬第一陣】:鎌鼬のうちの1体の力。肉体を風に変化させ、高速で、自由に空間内を移動し、肉体の接触を感じさせること無く対象を転倒させることができる。発動中は同じ距離を短距離走のペースで走るのと同程度のスタミナを消費する。

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すてきなホリデイ

今年もいい感じにカレンダーを埋める予定の数々。単語こそ違えどその内容は去年と大して変わることはない。ただバイト先の名前が変わるだけだ。使うあてもなく増え続ける通帳の数字は過ぎた時間を諭すようで、思わず来たる日付との距離を逆算してしまう。

「今年のクリスマスは雪が降るかな」

既読のついていないトーク画面に向かって吐き捨てる皮肉もすっかり板についた。バイト前に送ったから大体5時間といったところか、平常運転。多分脈もない。去年から気づいてる。それでもこの時間が愛おしい。

「残念、時間切れだ」

12月の出勤希望表を書き終わり、スマホの予定表から何も変わっていないトーク画面に切り替える。うん、平常運転。希望表も去年と同じようにその日付に✕‬をつけて提出する。
何も期待もせず、ただ見栄だけを張って。