あの人の詩が止まってから
もうどのくらい経つかしら
随分と年の離れたあの人の言葉は
毅然としていて柔らかくって
励ましたり怒ったり感心したり
いつだって力強かった
あの人の詩が止まってから
もうどのくらい経つかしら
幾らか追い付いたあの人の言葉は
揺らいでいて青臭くって
藻がいたり歯噛みしたり焦がれたり
存外と人間臭い
味の出てきた詩集は
日を重ねる毎に色を違えて
少し黄ばんだその本の
最終頁は黙したまま
馴染みの言葉を辿っていけば
たっぷりの幸福に浸れるけれど
我儘な私は祈るように
沈黙が破られるのを待っている
吐き出された憎悪は 声ではなく音であることを、
立ちはだかる腕章に 正義は存在しないことを、
音を掻き消すその声が 憎しみの応酬ではなく 誰かを守ることを、
僕は初めて知りました。
映像ではわからない衝撃に、湧き出る涙を抑えることしか出来なかった。
逃げ出したくてたまらなかった。
それでも、きっとまた数になりに行く。
声を出せずとも、抗する者でありたい。
(昨日は急きょ京都へ。感情が氾濫してる。)
消えてなくなって、もう二度と還らない。
世界は私が生きるには窮屈だった。
ああ、そうだ。
ひとつだけいい出会いがあった。
それは私を自由にした。
それだけが私の自由だった。