「僕は汚い」って思えるだけ
きれいなんだと思う。
本当に汚れているならば
そのことに気づくことはないし
悩んで涙することもないんだよ。
だから今、一人泣いている君は
とても人間らしくて。
そんな君のことを僕は愛おしく思うよ。
浴槽の中、潜った
酸素の泡が昇って
わたしはもういちど、生まれ変わるのではないかと
このまま透明になりたい
ゆらゆらとかみの毛がそよぐ
わたしの心はわたしの両手が
しっかりとつかんでいないとなくなりそうだ
浴槽の中、溺れた
酸素の泡が昇って
わたしはもういちど、息をしたいのではないかと
このまま透明になれたら
ゆらゆらとあの日の続きが
わたしの心はわたしの両手で
しっかりとつかんでいないと
誰かに託したりしたら、
なくなりそうだからね
君はいつも笑ってて、明るくて、面白くて、優しくて、なによりも強い。私はそう思っていたよ。でも君は、誰にも、何にも見せないように、1人で泣いていたんだね。強がって弱さを見せないように、誰にも気づかれないで泣いていたんだね。今はその涙の理由も、君が見せない理由もわからないけど、その涙が嬉し涙になって、笑い合えたらいいな。
ねぇいつか
貴方には愛しい誰かが出来て
初めてみたいな顔して
愛してるって囁くのね
ねぇいつか
私にだって愛しい誰かが出来て
初めてみたいな顔して
身を委ねてみせるのね
私は最近思うのです。
大人より子供の方が大人なんじゃないかなって…
確かに大人は色々な知識を持っていたり、人と上手くやる力を身につけているかもしれない…でもそんな知識を身につけていくほど、「純粋な心」を削っていってるような…自分がどんどん汚くなっていく感じがとても苦しいのです…
助けてと発せられたその言葉は、意図して誰もいないところに向けられていた。
だけど私は透明人間だからそれを盗み聞きしてしまうのだ。
そこでいきなり抱きしめてしまうのが正解なのか、私にはわからなくて、いつも流れる涙をただ見つめてる。
だから私は透明のまま。
あなたは夜の街を歩いている。夜の街はにぎやかで、ピエロがふうせんを配っている。日曜の夜にピエロがふうせんを配っているなんて変だなあ、とあなたは思うが、好物のたい焼きの店ののぼりを見て納得する。今日は受験生の日なのだ。もちろんあなたは受験生である。あなたはたい焼きを食べながら幸せな気分で夜の街を散策する。なんたってあなたは受験生だからだ。
あなたはそろそろ家に帰ろうと、もと来た道をたどるが、まったく知らない場所に来てしまう。地図を見ようとスマホを取り出すが、あいにく充電が切れている。
泣きそうになりながらやみくもに歩いていると、ふうせんを配っていたピエロが立っている。ピエロに道をたずねると、ピエロはなにも言わず歩き出す。ピエロにしたがい歩いていると、いつの間にか夜が明けている。
あなたはキッチンで朝食を作るお母さんの背中を見て、ピエロのことはもう忘れようと思う。そりゃそうでしょう。あなたは受験生なんだから。