風の吹かない箱庭
猜疑の概念を抜き取られた私を
嗤いつつも掬って下さった冷血の掌
あの方の瞳に宿るのは
不遜と軽蔑と怒り
きらきら眩い 生の希求
あの方の唇に宿るのは
傲慢と高潔と焦燥
くらくら燻る 未知への渇望
私を導くのは彼
お父様ではなく彼
林檎の樹の下 秘密のサロン
あの方が暴いて下さる世界の裏側
あの方が見せて下さる御空の続き
骨の欠いた片割れと踏み入れた壁の外
思考の種に満ち溢れた世界の裏側
瞬きの度に色を違える御空の続き
そんなものに意味などなかった
昏い色したあの瞳の
冴えて燃える澄んだ光がないのなら
薄く捲れたあの唇から
紡ぎ出される甘い調べがないのなら
熱が下がって見えたものは
心を撫でるやさしい手と
色味のない恋しさだった
髪を切って見えたものは
私を揺らす瞳の波と
首筋を冷やす風だった
夢ばかり見て生きている
息してる
浴びる言葉を拾いあげて
紐解いて
その先ばかり見ている
眺めている
ため息を吐いて
白い息
私は明日の献立を考えて生きている
息してる
『A.L.N王女、来訪』
「文紡さーん、起きてください。」
勘木の少し気の抜けた声が文紡の部屋に響き渡る。
「......おはやうございます...勘木...何故何時もより一時間も早く起こすのですか?」
勘木は少し驚いた表情で、
「何を言っているんですか。今日は他国の王族のお方がいらっしゃるんですよ。文紡さんも行かないと行けないじゃ無いですか。」
と、言った。
A.L.N第一王女『アレクサンドラ=ディアナ』
この星で一番広い国の王位継承者である。
今日はネペジの現御神の位『宝条八千代』と様々な会談をするという。
文紡は昼に開かれる歓迎の食事会で披露をする予定だった。
「また忘れていたんですね、どうしたんですか?最近忘れ事が多いですよ。」
勘木は心配していた。
文紡は「多分疲れているんでしょう。」とだけ言って支度を始めた。
『A.L.N』正式名称『ALL LAND NATION』。
北南に広大な広さを持ち、北は極寒、南は熱帯という国である。
様々な国の気候が集まり様々な国の生態系がこの国で形成されているというのが国の名前の由来である。
ネペジとは友好関係にある。
文紡は支度を終え、勘木に言った。
「では、行きましょうか。」
To be continued #46 『唄あはせ前夜』
P.S.ふぅ......。
......眠気って、兵器に流用出来ないかなぁ......。
ってずっと考えていました。
去年、あなたがくれた言葉を覚えてるよ
去年、あなたが言っていたことが現実になったよ
本当は今すぐにでも伝えたいの
でもまだ言えないから……
喜んでくれるかな?
1人で考えたこと。
今日、好きな人を怒らせたから気づいた。
いつもは、授業中も後ろを向いて話しかけてくるのに。
いつもは、昼休みも放課後も帰り道も一緒なのに。
いつもは、みんなに仲いいねって言われるぐらい仲がいいのに。
今日は、どんなに待っても一緒にはいられなかった。
しかも、最悪な事に逆ギレしてしまった。
話しかけてくれたのに、うるさいって。。。
後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔。後悔
金曜日だからしばらく会えないし。。。
大切なものは失って気づく。
だから、大切なんだよね。
謝らないとな。 月曜日。
謝らないと、ずっと話が出来ないような気がするから。
この週末、後悔で埋め尽くされそうだ。
去年、夏の終わり。
暗闇の中にいた私を救ってくれた。
君の笑顔で元気になれた。
君と毎日話したくて、
いっしょに笑ってほしくて。
気付いたら大好きだった。
ドキドキして、わくわくして
毎日が輝いてた。
でも
そんな日々は一瞬だった。
今の私は、どう思われてるのかな。
きっとただのクラスメイト。
ちょっと話しにくい女子。
好きな人の友達…
わかってるのに。
それでも諦められになんて
おかしいよね。
ごめんね。
まだ好きなんだ…
空箱を眺めて 閉めて開けて
ビー玉を転がし 煌いて止まって
好きだった絵本 ページをそっと繰って
要らなかった眼鏡 掛けて外して
無音のイヤフォン 巻き付けて離して
散らばった楽譜 片して浸って
何もないという 確かな感覚
恋をするわけでもなく
翔びたいわけでもなく
空から落ちてくる
たくさんの図星に
幸運な不意打ちに
今日もヘディング
元気になって
今まで以上に
すてきなすてきなあの音を
聴かせてくださるのを
心の底から
待っています