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鬼ノ業~本章(陸)

「お、お兄ちゃん達、いい人…?」
怯えた様子の男の子が木の陰から顔を出す。其れにしても、いい人かどうかを問うとは。
「こんにちは。良い人かどうかは計りかねるけれど、悪い人にならないように生きてきたよ。」
すると男の子は、一瞬にして眼を涙で溜め、助けを乞うてきた。
「助けて!お父ちゃんが殺されたの‼」
そこからは泣き止まず、その声は小さいのに悲鳴にしか聞こえなかった。

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透かした言葉をかみくだいて

嘘の言葉を探らないで

自由をかざせよ
何度だって

思うは自由だ

しばられた怪文を蹴りあげて

強く自由だ

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2つの世界

あー...うー...わからない...
貴女のところまで飛べれば埋まるの?それともまた別の?
こんな穴には落ちたくない
貴女と一緒ならいいんだけどね...

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no title

泣き虫だからすぐ泣いてしまうの

強がりだから涙を見せたくないの

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本日の魔法講座 その250

初めてのらっきょう
破った約束

なくした靴下の もう片方を探してる

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無題

好きって気持ちが時々
分からなくなる

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卒業

明るい陽射しに祝わせて、親の頑張りに感謝して、また歩くんだね、君は。
僕は君とはいけないからさ。もうこの先、関われないから。それでも見守ってるから、きっと楽しいからさ。
今までを思い出に変換して、行きなよ。君の居場所は僕のそばじゃないから、そばじゃないからさ。(校舎の気持ち、なんて)

1

今日この頃

あなたが幸せだったら、あなたの大切な人も幸せ。

って、そんなことはありえないけど、

あなたが幸せでないと、あなたの大切な人も幸せにはなれない。

そんなことを思う、今日この頃。

5

独占欲

きみの 短くしたスカートから覗く
やわそうな 腿の肌を
桜が撫でるような そんな春が来ることを、

これで最後
今日で最後

夏の太陽が ぎゅっとする頃には
他の誰かと恋をしたりする
それを 日差しの合間のテラス席でアイスティーを片手に聴くし
ケンカした日の深夜の電話は夜通しきみを慰める
そんなときだけは 特別

きみの 短くしたスカートから覗く
やわそうな腿を これから会う誰も知らない

いつか、卒業 おめでとう

2

無題

間に合わなかった桜
急に愛着湧いた制服
最終日に意気投合したクラスメイト

なんで今日なのって
もっと違うタイミングなら きっとって
人生なんて そんなことばかりだけれど

桜が咲いたら お花見をしたらいいし
制服は暫くディズニーで着られるし
遠い所へ行ったってLINEなら会話は一瞬だわ

息を詰めるように
タイミングを見計らわなくっても
良いではないかしら

完璧な舞台が
完璧な人生であるとは
限らないのではないかしら

きっと 多分
そんなものに囚われないことが
完璧な人生の秘訣なのね

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君にさよなら、またいつか。

君に恋した夏の駅を思い出したよ
太陽に照らされた横顔も
髪を靡かせながら走る姿も
背筋をしゃんとして凛と佇む後ろ姿も
僕の心を灯してくれたその笑顔も

僕は全部好きだったよ
今日はお別れの日だったのに
僕は何も言えなかった
好き ありがとう おめでとう お疲れ様 頑張れ
さよなら

何も言えなかった
もう会えなくなるのわかってたのに
大好きだった後ろ姿と
少し涙を溜めた瞳と
手を振る君を胸に刻んで

またいつか会えたら
その日までに綺麗になろう
ねぇどうか変わらないで。
僕の好きだった君のままでいて。
凛とした強さの中に可愛さと無邪気さを持った
僕が大好きだった君のままでいて。

今までどうもありがとう。
たくさんの幸せをもらいました。
どうか君の夢が叶いますように。
君の笑顔が消えることのない
幸せな日々が君に訪れますように。

さようなら。

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りんりんと

手をそろえて重ねた
あなたの一歩、鈴の鳴るように
弱くて浴槽で火照っていた
指先のしずく、溶けだすように
ままならない恋を
ていねいに包んだ
お届け先は秘めていて
あなたの体(てい)におぼろげな
月のような影を見た