うだる私をプールに沈めて
酸素の夜明け
生きている
火照る目蓋に君がほしい
いっそ力を抜いてしまえば
硬いシーツにも慣れるのかしら
嘘のすべてを見抜かないで
呼吸のリズム
生きている
生きている
あるところに少年がいました
その少年は子供のようでも、子供のようでもありました
彼は旅人でした
青い夏の中を旅する旅人でした
終わらない夏の中に居続けていました
彼はある日気付きました
自分は人に記憶の中にしか生きていないことに
けれど、彼は旅を続けました
生きていた意味を
証明するために
拝啓
寝癖が目立つ季節になりました
毎朝ちゃんと寝癖をなおしていますか
とかしただけではその頑固な角は粘り続けるのであと30秒だけでも格闘してみてください
なおさないなら、せめてその髪の毛をわしゃわしゃになでてもらってください
頭をなでてくれる人はいますか
寝癖はなおせと言われますか
シャンプーのにおいはかわりましたか
押し花の栞を送ります
勿忘草の花です
どうぞびりびりにはやぶらないで捨ててください
敬具
あ、げんきにしていますか
言葉を絆創膏のようにぺたりと貼りました。
まだ足りないの。もっと頂戴。
もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと。
せめて声を治らない傷口に刷り込んで欲しい。
もっと。
希薄な人間関係なんていらない
いつか壊れてしまうから
そう思ったから、大事なとき以外
笑顔の仮面を被ってた
一人でいれば好きなことができる
独りでいれば誰にも傷つけられずに済む
ひとりでいれば人との違いに悩まずにいれる
ヒトリでいれば苦しまずに生きられる
一人なら
独りなら
ひとりなら
ヒトリなら
だけどふと思うんだ
そうやって僕だけの世界に閉じこもっても
ホントの答えは生まれないって
かの背を見ると
景色が滲む
歩けば 歩けば
その背は遠く なっていく
未来をなくした
下位複合体-inferiority complex-
いつか隣で歩めると
信じていてはいけませんか
数学を 教える君の 綺麗な字
劣等感の 涙で穿つ
ほら、拭きなよ
そんなに涙を流してちゃ、前なんて見えんやろ。
もったいないよ。
君の目の前には、綺麗なものも汚いものも
溢れてるんだから、
今しか見れないんだから、
しっかり目に焼き付けるべきだよ。
さあ、涙を拭きなよ。
慌ただしい朝の毎日 聞き飽きた目覚ましの音
ふわり朝の匂いに 鼻を聞かせ
着慣れたこの制服は 僕の一部と化した
「今日はぐずついた天気になるでしょう」と テレビの忠告
今日は あの 青い傘を持っていこうと
ぽつり 雨が降り注ぎ こそりと 太陽が顔を隠して
また ぽつりと 君が僕にこぼした ひとこと
聞き逃さないように
走っていくよ 走っていくよ
信号だけは注意深く 走馬燈が見えたら 大変だよ
駆けていくよ 架けていくよ 君との未来への橋
架けていくよ
ぽつりと 君が僕にこぼした ひとこと
聞き逃さないよ
走っていくよ 走っていくよ 君の隣まで
階段駆け上がる スピードも 絶好調で
駆けていくよ 架けていくよ 君との未来への橋
会いたい。
そう願うと
会えないと
すごく辛い。
会えたらいいな。
そう思っていると
会えなくても
思っていたほど
辛くない。
会いたくない。
そう思っていて
会えないと
もっともっと
辛くなる。
会いたいなぁ。
思いの届かないところにいる
あの人に。