冷たい風が、私の前髪を揺らす。
美しく張りつめた空気が頬を撫でる。
あぁ、少し先に冬が見える。
時の流れは残酷だ。
絵が上手いわけじゃない。
歌が上手いわけじゃない。
楽器が得意なわけでも、文才がある訳でもない。
運動が得意なわけでも、足が早い訳でもない。
飲み込みが言い訳でも、頭が言い訳じゃない。
特別かわいかったり、かっこよかったりすることもなく、いい子ちゃんって訳でもない。
世渡りが上手い訳でも、1人がへーきな訳でもない。
料理が得意だったり、お裁縫が上手かったりする訳でもない。
なんにも出来ないからって、みんなに助けてもらえる人望と強い強い意思と夢があるかっこいい麦わらの船長みたいな性格をしている訳じゃない。
あたしは何も出来ない。
中途半端に色々出来て、レベルは人並みか人以下。
神様は不公平だ。
なにか一つでも、なにか欲しかった。
自分に自身が持てる「ナニカ」が。
愛してくれる人を
愛してくれているように愛せたなら
愛している人に
愛しているように愛されたなら
私は、もっと、
オレンジ色の皮を剥く度に
イケナイコトをしてる気持ちになる
やめてーむかないでー
そう言われてる気がしてしまう
青臭い匂いが大好きです
生きることに意味なんてないと思ってた
嫌なことがあるたびに死にたいと思ってた
自分の居場所なんてあるのかなって
でもそれが夢になった
生きる意味を探してる人たちの力になりたいと思った
私が助けてあげようと
分かった。そっか、これが私の生きてる理由なんだって
いつか私が人を助けるために今を生きてるんだって
みんな 同じような格好で
みんな 下を向いていて
みんな 同じようなことをやっていて
あぁ、気持ち悪い
最後にあなたとあった日から
今日でちょうど365日
あなたの顔を あなたの声を
ずっと想ってこの日を待っていた
空は晴れて 心もこんなに近くて
目の前にあなたがいるのに
触れることができない
あなたは「離れていてもいつも一緒だよ」
って言ってくれたけど
やっぱり…会いたいよ
変なんだ。
ずっと考えて、一年はたつ。
どうして、
本当は見ず知らずだったあの人のことを
オレだと思ったのか。
これは、気の迷いでも狂いでもない。
魂の距離が近いのか、遠いのか。
なぜだか、たまに思いがシンクロするようなそんな時がある。
遠くて、近い。
そんな存在。
だから
もしもオレの心がちゃんとした魂だとしたら
もしもオレの性格が、素晴らしかったとしたら
もしも、オレがあの人と同じ年だったとしたら
もしも、オレが
あの人のそばにいる存在だったとしたら
真っ先にあの人を、救えていたのかな。
さよならの足音が近づいて来ている
聞こえないふりをして
二人だけの進路室で
一度だけ呼んでくれた、
わたしの名前
フルネームでも苗字でもない
わたしの、ほんとの部分が
君の声で
光って綺麗だ、
君はいつか忘れてしまうだろうけれど
いつまでもこの時は
あたしたちだけのものなんだ
自分の意思表示のための文章が、先生から戻ってくるたびに自分のものじゃなくなる気がしてる。
少しずつ少しずつ、自分を削り取っている。
完成品は誰のものになるのかな。
そしてそれを誰に見せるのかな。
怖くなるね。