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煙草を咥える貴方が美しくて
咥えられてる煙草が羨ましくて
私は貴方が吐く煙を吸って
蒸せ返るのが精一杯

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熱。

どうしようもなく悲しくなる。
タンスとか服とか本とかが嫌になるくらいある部屋で塞ぎこみたくなる。
こうやって追い込んでくる。
運命とは残酷だ、なんてよくある言葉でまとめてみるけど納得いかないよ。

少しだけ体温が下がる。

僕は君と行けることを本当に楽しみにしてたんだよ。君は全く悪くないから嫌になっちゃうよな。
受け入れられないことを飲み込まなくちゃいけないのかな。
僕はまだ諦めてないよ。

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告白は

曲が終わって余韻の部分。
密かにイヤホンを伝って余韻が鳴ったあとすっとそれが止まるように。
時間を止めてほしいの。私の心臓だけ動く。
星が消えて朝焼けの空に変わるように。
すきってこれだ。

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花束

化粧覚えなくちゃいけないのか、という彼女の美しい長い睫毛が瞬くたびに、ひとりひとりと殿方が倒れるとわたしは知っている。リップクリームを塗りたくる、ハイソックスをぴたりと留める、前髪を切り揃える、女子高生は、あまりにも、彼女自身が持て余しているのだから。19になるつもりは無い。春など、一生こなくて良い。わたしは、ここに、生きるのだ。

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戯言即興詩。

犬歯のすぐ隣で舌がうるさく痛んで
この前噛んだろってじくじく訴えてる。
ごめんよ、悪気はなかったんだ。なんて
きみだって同じぼくなんだから
わかっておくれよ、なんて、ね。

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帰り道

あまりにも早すぎた冬の朝はナフタレンの匂いがするんだなって、笑っちゃった。はやく半袖のパジャマしまわなくっちゃって言ったら、白い息吐きだす君、ピザまん半分くれた。

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さよなら、心の中で

好きかって聞かれたらまだ好きよ。

好きだって言っていいなら今でも言うよ。

独身最後の記念にとあなたは残酷なことを言うね。

今だって覚えてることはたくさんあるんだ。

今だって忘れられないことはたくさんあるんだ。

もう二度と会わないよ。

もう二度と会わないで。

さよならの方がふさわしくても、僕らの別れの言葉はいっつも、またね…だったから。

もう二度と会わないけど、またね。

(遠距離で別れた元彼女が結婚するそうです、あなたに祝福と幸福を…なんて。)

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無題

静かなお部屋。
休みの日は布団にもぐってゴロゴロ。

お昼過ぎ、玄関を開ければ、そこは青空が広がっている。
風は冷たく、冬の始まりを告げようとしている。

季節はめぐるのだ。人はまえに進むしかないのだ。
まえに進んだ先に何があるのか知らないけど。

今を精一杯生きた先に明日が来る。

だからまぁ、明日は仕事に行くんだなぁ。

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コーヒーブレイク⑤

僕がこの喫茶店に通い始めて2年と3ヶ月がたった頃に僕は初めて珈琲とサンドイッチを求めに閉店間際の喫茶店を訪れた。
扉の鐘の音もどこかいつもと違う気がした。

入店して即座に僕は目を疑った。

TVのプロ野球で巨人が阪神にボロ負けしてるから?違う。
店内の客が5人をこえていたから?
違う。
店内のBGMが聞いたことの無い楽曲だったから?
違う。
じゃあ何故かって?
いたんだよ。この店に従業員が。
でもそれだけだったら僕はそんなに驚かない。

ひと目見ただけでわかったさ。大きくなってもその雰囲気、顔だちは何にも変わりはしない。
彼女だった。僕の初恋相手だった。
僕の目の前から突然居なくなった彼女は、
僕の目の前に突然に現れた。

昔から美人だった彼女は化粧を覚えて犯罪的に美人になっていた。

扉の所で突っ立ってる僕に気づき
いらっしゃいと聞きとりやすい美しい声が僕の鼓膜を突き破る。

慌てて注文をする。店主は阪神が勝ってるからかTVに釘付け。

僕は何を意識したのかいつもとは正反対のこの喫茶店で一番高いセットを彼女に頼んだ。

その時の店主の逆転満塁本塁打を打たれたかのような表情で僕を見つめた事と彼女の気持ちが良い返事はいつまでたっても忘れられないだろう。