表示件数
0

一目惚れ→失恋

君に魔法をかけられた
これまで一度もかけられたことのない魔法を
君に呪いをかけられた
これから一生、君以外を愛せなくなる呪いを

1

冷える朝の静かな戦い


練習をする我らだが
冷えてきたこの季節

しかし我は肌を出す

わけは大したものじゃない
しかし放っておけない
奴らと差をつけるため

小さな抵抗だと
こちらだけが意識していると
分かっている
分かっているのだが

勝ちたいと
少しでもいいから
勝ちたいと
負けっぱなしじゃ終われない

そんな性分が
戦いを起こす

そんなもの無駄だと分かっているのだが…

0

無題

あの頃他の人達が下さった
お気に入りの あの詩も
横っ面を張られた あの言葉も
全てを忘れ置いて
私は大人になってゆくの?

振り返りを禁じられたくらいで
大事なものを大事なものから
ほろほろと落としてしまうような
そんなちっぽけな掌で
大人の私は何を掴もうというの?

0

当たり前の事

何か起きる理由がないとダメなのか
何か生きる理由がないとダメなのか
雪が降り積もる冬の朝 そんな事 思った

人生とは めんどくさい事の連続だ
それでも尚 生きる事は楽しいと 心は知っているのだ
ただ時々それを 忘れてしまうのだ
冬は必ず春となる
そんな当たり前の事

道に迷ったりつまずいたり
それでも尚 それでも尚…
そんな 当たり前の事

1

 人魚がいた。女の人魚だ。男の人魚というのはいるのだろうか。そりゃいるのだろう。なにかで見たことがあるような気がするが、印象にない。男の人魚なんてあまり絵にならんな。
 とにかく女の人魚がいた。人魚の仕事は昼は美容室、夜はキャバクラ。人魚は自分の店(もちろん美容室のほう)を持つのが夢なのだ。忙しくて恋愛する暇などない。今日は久々の休日。
 月の光を浴びながら波に揺られていると、でかい客船が近づいてくる。デッキから、男が海に飛び込む。悲鳴があがる、かと思いきや誰もかまう者はなく。客船は行ってしまう。
 人魚は仕方なく、男を助ける。いい男だな、と思ったが、恋に落ちたりはしない。人魚は忙しいのだ。
 波打ちぎわ、夏の太陽に照らされて、男は目覚める。立ち上がり、二日酔いの頭を抱え、よろよろと歩き出す。独身さよならパーティーでやりすぎてしまったことを悔やみながら。

1

もしも

きみと会った日に近づいた 夜の公園の灯りとか 非常階段の喫煙所とか きみが見てた景色に立ってみたい 気づけないままの生活とか ならべてみた言葉とか。 叶わないことが多すぎて 望むことを忘れてしまうよ でもそんなんじゃない 伝えたいことがありすぎて いっそ噤んでしまえばって思った でもそんなんじゃない。 逆らわない朝があって それでもういい それでもういい。 語りはしない声だって それでもういい もういいんだ。 まだ夢を見るよ。

0

ねえ

貴方の記憶の片隅に私が居ればいいなぁ
最初は小さかった欲も、段々と大きくなっていく
終いには貴方を独占したいと思う私が居た

0

運命の人へ

好きな場所はどこですか?
好きな時間はいつですか?
好きな食べ物は何ですか?

これから出会う大切なあなたに
聞いてみたいな。

早く会いたいな。いっぱい話したいな。