あーあ
また嘘ついちゃった
飲み込んだ本音は
じとじとした梅雨時の空気みたい
安っぽいサイダーでも煽らないと
苦しくてやってらんないよ
咄嗟に嘘をついたら
その後生きづらくなってしまったこと
暗い話はしたくないから
テレビで聞いた話をしていたこと
本当の僕は君が思うよりも汚くて
君に好かれるようなところが何一つ無かったこと
覚えてる
君が何か伝えるときに
僕の目を真っ直ぐ見てくれたこと
君と手を繋いだときに
命の温もりを肌で感じたこと
別れ際になって初めて君が怒ったとき
何考えているのか分からないと叫んだこと
覚えてる
確固たる夢など持たず彷徨う
煙草の煙の行方を目で追う
自分の不甲斐なさに半ば呆れながらも
自分を奮い立たせる今日
何にもできなくてごめんなさい
生まれてきてから今まで間違いだらけの人生だった
僕は君のことそんなに
好きじゃなかったのかもしれないな
君に求められてるのが
ただ嬉しかっただけなのかもな
あの頃の僕の埋め合わせ
ポケットには幾らかの小銭だけで
真面目に働かないとな、なんて思った
転んだ拍子に
砂が口の中に入って気持ち悪かったこと
人の顔色を伺って無難な選択ばかりしていたこと
死んだと思ってた親父が実は生きていたこと
母親の腕の痣を誰がつけたのか分かったこと
覚えてる
考えてもどうしようもないことを考えて怖くなる
もしも君がいたら
一人じゃないよ、とか言ってくれたかな
そんな都合のいいことを夢想する
やっぱり僕は汚いな 昔の最低なままだ
失望されるのも慣れたよ
好きだった漫画の最終回 大団円で嫌いになった
世界は綺麗好きなんだと
そのとき思い知らされたんだ
お前には居場所がないって言われた気がしたんだ
口の中に苦い味が広がったような記憶
覚えてる
僕は同じ場所でもがいてる 君は随分遠くにいる
こちらを振り返らずに 僕には一瞥もくれずに
走り去っていく君がとても綺麗だった
その残り香は君のいない世界にも
まだ残っている気がした
辛いとき 私を励ましてくれて
話を聞いてくれるのは
いつも彼方で
そんな彼方が大好きで
彼方と一緒にいると楽しくて
思わず好きって言っちゃいそうになる
でも、そんなこと言える勇気なんてなくて
何も進展しないまま
気付けば
私が彼方に恋をして
1年半がたちました
あのころを覚えてる?
ふたりで一緒に道を歩いて
単純にお互いのためにうたってたあのころ
きみには嘘を信じさせたけど これはきっと嘘じゃなかった
謝るよ 身分なんてなきゃいいのにな
きれいなシャツを集めあげていたんだ シルク コットン 赤 青 古風なもの
秋の色 冬の白い白い雪 全てばらまいてくれ
君はその中に埋もれてこんな美しいものは見たことがないと泣いている
そんなの悲しくて世界が落ちてきそうだ
同じように見て欲しかった 美しい忍耐を 終わりのない夢を 緑の光を
もう無理だったと知ってるけど