少女は気づいた。
彼は自分のために笑ってくれるということを
彼は気づいた。
少女が自分のために泣いてくれるということを
二人は気づいた。
お互いは本当に大切な存在だってことに
歌いたい。
歌が上手くなりたい。
大声で、思いをのせて。
君に届くように、みんなに届くように。
歌いたい
下手でもいいよね、思いを思いっきり伝えるから。
理想と現実の狭間で、もがいてしまう。
進みたいと思っていても、進んでいる感がない。
だからこそ、もがいてしまう。
誰だってそう。もがいている。
そして、答えを見つける。
慣れてしまった感覚に
知らず鈍る相対比
求める物の総価値と
与える術の生産性
1〜10の駆け引きを
足し引き乗除で着飾って
感じる視線
その先に君
合わせようと君を見つめる
なのにその視線は逸らされて
好きだよと伝えても
勘違いだよねとなかったことのように
いつも私は一方通行
結ぶ赤い糸の行方には
君がいて欲しいと願う
今日この頃
どうしてですか。
君の楽器の音、ずっと聴いていたいんだ。
それだけですか。
それだけじゃだめなの?
女の子は、今目の前にいる大変珍しい男の子に夢中になってしまいました。
この子ならきっと、何か信じられないような世界を見せてくれる
もし出会ってそのまま別れてしまえば、もう今までの生活を楽しむことはできないだろう
女の子は確信していました。
女の子の平凡な生活は、男の子によって切り裂かれたのです。
こっちが家なの、ついてきて
見にいくだけですよ…
女の子は男の子の手を取りました。
男の子は驚きました。
人と手を繋ぐ、いえ、人に触れたことさえ初めてでした。
人の手が暖かいということを初めて知りました。
男の子もまた、まだ知らない世界を女の子に見せてもらえると感じました。
絆を信じた あの日
遠く離れた 仲間と
ここに集い
また 歩き出す
俺は 戦いを終わらせるために
夢の中へ旅だつ
戦いを終わらせるために
あいつを 救いに行くんだ
世界が変わるのは明日かもしれない。
1年後かもしれない。
変わる日を待つくらいなら、明日を変えるつもりで今を生きる。
「過去も含めてあなたです」
隣の若い女がつぶやいた。
どんなひとりごとだと思って見たら、英語のテキストを音読しているのだった。蛍光ペンを右手に。襟ぐりの広いシャツから時折、谷間をのぞかせながら。
男性は露出の多い格好をしている女性をものと見なす傾向にある。実際男性に露出の多い格好の女性を見せ、脳をモニタリングしてみると人間に反応する脳領域ではなく、ものに反応する脳領域が活性化しているのが確認されるそうだ。
露出の多い格好の女性はビッチとされ、性的欲求を満たすためだけの対象となる。ものにするという言葉に表れているようにセックスというのは女性のもの化なのだ。
女は落とすという。受かるではないのだ。つまり上品から下品におとしめるのが女性をものにするということである。
隣の女の音読がやんだ。蛍光ペンが床に落ちて転がった。女は拾おうとしなかった。
どこからか、作業着を着た男が二人、やってきて女のテーブルに近づき、女をビニールで梱包して、運び去った。