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こんな夜に

こんな夜に
隣に君がいないなんて
夜はこんなに寒くなったんだね
君がもし、こんな夜に出会ったときは
隣に誰かがいて欲しい
あたしじゃなくてもいいから
君が少しでも辛い思いをして欲しくないのは
君に笑っていて欲しいのは
あたしだけじゃないから

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未来

私の未来は誰も知らない 知れない 私でさえも
変えていくんだ 変えていく 変えるのは私だ
誰にも変えさせない 私の人生だから
私の人生で 私の選択で 私が選ぶんだ
それがたとえとても怖くても逃げたくなっても
私の人生は私のものだ 誰にも譲らない
たとえあの人のヒロインじゃなくても あの子の方が主人公っぽくても適任でも
私の人生は私のものだ

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言わないから

冷えたミルクティー
温かいのは初めだけだ
恋も愛も同じだ なんてそんなわかったようなこと言わないよ
言わないよ 何も言わないよ
だから側にいてよ 愛してよ

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遺書

僕はなぜだか書きたくなった。  

ただの作文も、手紙でも、ポエムでもない。

親友へあてた遺書を。

今すぐ消えるわけじゃない。

だけど

なぜだか書きたくなった

大切な大切な親友たちへ感謝を伝えるために。

いつか  いつか

私が消えてしまった時

親友たちが本当の私を知れるように

何回も何回も書き直して

ありのままを書いた。

その中で

日付は空欄のまま。

だけど

日付は一生埋めるつもりはないよ。

生きている間は…

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無口なあなたへ

昨日、かわいい?なんておこがましいこと聞いたとき、うん じゃなくて、かわいい って言ってくれたことが、なんだか とっても嬉しかった。

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アイスクリーム

貴方をこっそり見つめていた
私はアイスクリームを食べながら
貴方にも少し分けてあげたかった
頑張っている貴方にも

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果てしない

空を見上げた僕は純粋な心で
戻りたいって感じた。
どこに戻りたいのか…
それを聞かれるときっと
口ごもる。
だって  だって
純粋な気持ちはどこまでも果てしないから。
空のように大きくなりたくて  
海のように自由になりたい
空気のように流れてみたくて
木のようにしっかりとしたい
ほら
どこまでもどこまでも
果てしないでしょ?
僕は
そう思いながらただただ空を眺めた。
そして天に誓った。
いつか必ず戻りますから、と…

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イマヲ、イキル

集団リンチを受けて不登校だった幼なじみ。
教師に言われ数ヶ月ぶりに家を訪ねる。

暫く世間話をして私は帰る。
やせ細った腕でゆっくりと手を振るその手首には生々しい傷の跡。

翌日幼なじみは、命を絶った。

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おはよう即興詩。

気持ち悪いくらい晴れたそらに
吸い込まれそうなおはよう、を
交わしてぼくら
まだわずかに濡れた道を歩いて
今日もまた、はじまりの日。


(一足お先に台風一過です。)
(また秋が来たような朝…)

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電波塔

きっと行事特有のテンションだったから
君の番号をコールできていたんだろうね

合図のように ワンコールで一度切って
繋ぎ直せば ほら すぐに君は応じるの

仲が良すぎるとよく言われたものだけど
彼らが言うより 仲が良いわけじゃない

そう思っていたのに何よりも嬉しかった
君が名前を読んでくれたことが何よりも

毎夜君を呼び続けて 私を呼んでくれて
行きすぎた浮遊感だったのかなと思った

何よりも楽しかったのかも知れなくてさ
もう全ては終わってしまったはずなのに

未だに君のコールを待ち続けているのは
本当に愚かしいと涙目になるのだけれど

私が君を呼ぶ勇気はとても無いから今は
君に呼んでもらえる日を待ち続けている

もし君がまた名前を呼んでくれるのなら
二人で電波塔の下まで出掛けてみようよ

それなら それなら私は信じられるから
救世主の君の首筋をなぞって その後に

君の頸動脈をそっと千切ってあげるから
私は左手首の傷痕を残らず破ってあげる

電波塔の下 幸せだった声だけの通信を
思い出しながら星の降る夜に死ぬことを

孤独の海で 想像してはいけませんか?
眠たげな声で名前を呼んでくれることを

願いながら 待ちながら 両目を閉じた
バイブレーションに設定して携帯を放る

二度と無い君のコールを逃さないように
電波の上で 君と話したいことを考えて

そうして やっぱり脈を数えて微睡んで
鈍い白銀のカッターの刃を三回鳴らした