最後の言葉は置き去りに 私の心拾ってよ
無駄にした君からの電話が まだかかってきてるみたいで
不在着信 何件残せば 君は出てくれるんだろうか
こうして私は想い綴り続けたくて
後悔したあの日のこともぜんぶかくよ
漢字も感じも あまりひとつには決められないけれど
一つだけ確かなことがある
よく聞いておいて これは君への
忘れないでいて 私が君のことを ってそれだけ
できるだけ早く忘れて 私が君のことを ってそれが
乾かしたピックはもうちゃんと使える?
今から音を鳴らす、届けようとして
いつもと同じ毎日だけど
何かが違う
同じ時間に起きて
同じ時間にご飯を食べて
学校にいって
好きな人のことを思って
いつもと同じ1日が終わって
いつもと違う明日が始まる
明日は明日の自分しか分からないから
明日の自分に任せよう
今の自分が幸せじゃなくても
明日の自分は幸せだと思う
明日の自分が幸せじゃなくても
未来の自分は幸せだと思う
今幸せじゃなくてもきっと幸せはやって来るから
大丈夫だから大丈夫だから
こぼれた一滴の雫
太陽の光をいっぱいに浴びて
魅力的な姿へと
広がって行った
その雫に映る僕の姿も
魅力的に見えたのだろうか
お見送りにきてよ。
そんな単文が携帯に送られてきた
やだよ。忙しいもん。
なんて送り返してみる
普段は君とバカ言い合う仲でしょう
絶対悲しくなるもの
君の前で泣いてしまうの嫌だもの
「汚いねぇ人間は」
「そういうお前も人間のくせに」
「考え方によっちゃ、俺は人間じゃない」
「は?」
「例えば俺は嘘をつかない」
「でもお前は飯を食う」
「俺は服を着てない」
「でも体毛で覆われてない」
「それに何より、大切なことがわかってる」
「大切なことしかわかってないんだ。無駄こそ美学なのに」
「じゃあいまテレビで流れてる嘘と無駄ばっかりの国会中継は美しいか?」
「…ううん」
「まぁ、とにかく俺は人間じゃない」
「でも、人と人の間に生まれたんだろ」
「まぁそうだな」
「なら人間だろ」
「いいや、人間じゃない」
「…あっそ」
「黙るのは得策かもな。見てみろ、テレビの中のおじさんもさっきから同じこと言ってばかりで結局黙り込みと同じだ、これなら真実はわからないまんま、やり過ごせる」
「強情な嘘つきは人間と認めないことにしただけだよ」
「強情な嘘つき?俺は汚職議員かよ」
「汚職議員も人間とは認めないことにした」
「随分とアヴァンギャルドな思想だ」
「それより、さっき言ってた大切なことってなに?」
「あいうえおの音だ」
「は?」
「当たり前に使ってる(あいうえお)って音だよ、あれがなくちゃ何も生まれない」
「なんだよ、そんなことか」
「そんなこともわからなかったお前は立派な人間だな」
「人間…か」
僕は人間であることを一瞬恥じた。だが、向かいに座った全裸の男を見て、こうはなりたくないと強く思った。
時計が鳴った。12時だ。
「それじゃ、おやすみ人間くん」
「まだ昼だぞ?」
「昼寝の時間だ。人間と違って俺は昼も寝る」
「あっそ…。あ、そうだ」
「なんだ?」
「名前を聞いてなかった、お前名前は?」
「人間じゃないから名前は無いな」
「なんて呼べばいい?」
「じゃあストライプで」
「なんだよそれ」
「なんでもいいだろ」
「あっそ。それじゃ、おやすみストライプ」
ある日、父が言った。
「文句を言えば解雇されるのなら、全員が文句を言ったら全員解雇するのか?」と。
普段、父の言葉で何かを考える事はないのだが、
父らしくない正論だったので色々考えてみた。
思えば、今は無理が平気で通る時代になった。
「昔の人はこれだから・・・・」と今時の人は言うが、「今時の人はこれだから・・・・」と同じ事を昔の世代の人は思っているのだろう。
「技術が発達して便利になった」とは言うが、裏を返せば「昔は不便だった」と言っているのと同義だ。本当にそうだろうか。
ネットのトラブルは後を絶たないし、学力だって下がる一方じゃないか。
今が楽しいからといって、昔を蔑ろにしてはならないと僕は思う。
雨ニモマケズ
なんて
できない
負けちゃいそうならそれでもいいさ
雨ニモマケテ
風ニモマケテ
世界ニモマケテ
それでもぼくはきみの味方だから
人は嘘をつく。
それは悪いことではないと思う。
みんな結局自分がかわいい。
自分を守るのに必死なんだよ。
でも、嘘なんかじゃない
自分を守れるものを持てたら
僕らはきっと幸せになれるよねえ。
そう言って笑った君の姿が濁った。
もう戻ってこない
ワレモノ注意のシール
トリセツも読まず
握りしめたナイフを
手持ち無沙汰に振り回した
膿もそのまま
微熱で走り出した
世界のすべてだった坂道
どうか戻ってきて
青く懐かしい日々よ
時計のチクタク
遠くから聞こえるきみの声
ここから叫んでも届かないかな
その声のままぼくが飛んでいきそうだったから
きみを抱きしめてどこまで走れるかな
そうじゃなきゃ涙があふれそうだったから
時計のチクタク
どこかに消えたぼくの声
ぼくは強くなりたい。