水の中に閉じ込められた二酸化炭素は、少しの刺激で泡沫になって出ていった。
社会の中に閉じ込められた人間は、自分の力で無理やり社会を出ていくのか。
…なんて想いも、ソーダの泡と一緒に消えてったきり、二度と帰って来なかった。
出ていこうとする反乱分子がいるから、炭酸はおいしくなるんだねぇ。
なんて呑気なことしか、頭の中には残らなかった。
満たす溶液は力
友と作り上げた機械と共に
彼は世界を救わんとする
友はこう言う、
この世界に意味はない
私が神を作ってみせると
2人は道を違えた
確かに見えるは眼前の終末
2人は信念をぶつけ合う
どの方向が前なのかも分からないし
心を許せる友も 愛してくれる恋人も いなくて
どうしたらいいんだろうな、こんなのさ
口笛吹けばぜんぶたのしい なんて気楽さがほしい
ほしいと思っている時点で気楽ではなく
私は私の思うよりだめ人間なんだろう
なんて本当は思いたくないよ
ちゃんと自分で傘さすよ
誰かに差し伸べてもらわなくてもすむように
ちゃんと自分で絆創膏貼るよ
誰かに傷を癒してもらわなくてもいいように
どこへ向かえばいいのかも分からないのに
足だけは動かし続けなきゃいけなくて
ああ、本当にどうしたらいいんだろうな、教えてくれよ
なにしたってぜんぶ嫌いだ なんて最低だ 気分が悪い
君は君の思うよりきっと頑張ってるよ
なんて言ってほしい甘えなんだよ
ちゃんと自分の足で歩くよ
どんなに足首が痛んでも
ちゃんと自分で持っておくよ
どんなに肩が痛くても
悲しいな、悲しいよ
誰か愛してくれ、寂しいんだ
なんて思ってないない、大丈夫
君と初めて行った夏祭りで、
君はずっとラムネを飲んでいたね。
僕はそのビー玉を出すのが下手だから
ラムネもだんだん嫌いになっていた。
そんな僕の横で
もったいないって
言いながらラムネを飲んでいる君の横顔
をふと見たときに見えた景色。
ラムネの瓶越しのきらびやかな灯りたちは
より1層きらびやかに見えて
なんだかとても儚いものに感じた。
炭酸の泡のように弾けて消えてしまいそうなくらい儚く見えた。
僕たちの関係はラムネの泡のように儚いものではなかったはずだけど、
ラムネのように甘い毎日は
弾けて消えてしまった
いつかまた、君の横で、
ラムネを飲む君の横で、
あの日言えなかった
「1口頂戴?」と
「大好きだよ」
を言えたらいいな
なんてラムネみたいに甘くいかないよね
だから
私は炭酸の泡のように
小さな音をたてて君の前から
さようなら。をするんだ。
夜空に飛行船を浮かべ
星の近くを旅する夜間飛行
終わらない夢を見続けよう
泣いてる君も
早く手を伸ばせよ
綺麗な地上を見逃すぞ
留守録の声でしかあなたに会えないのならば
この雨降りの中でも会いに行こうじゃないか。
ポケットに詰め込んだ何枚かの10円玉を握りしめ
雲に隠れた君の声に耳をゆだねよう。
誰かのためについた嘘。
誰かに一生の憎みを与えた言葉。
誰かにつけた傷跡。
誰かを笑わせた想い。
人の人生に
なんらかの
影響を与えられたなら
僕の人生は悪いものでは
ないのかもしれないね。
…なんて