夜、明かりを消して眠る。
すると、たちまち黒い影が見えてきて、私に遊ぼうと声をかける。
明かりをつけられて眠れない。
でも、私にとっては、この秘密の時間が好きだ。
遊び疲れて布団にもぐる。「おやすみ」。
朝、明かりをつけて目覚める。
すると、たちまち日が差し込んできて、私に働けと声をかける。
部屋は静かすぎて起きれない。
でも、私にとっては、みんなと一緒の貴重な時間だ。
でも、眠たい。体が重い。動かない。頭が痛い。
でも、働かなきゃ。怒られる。いじめられる。みんなと違うと変だから。
でも、でも、でも、でも…
気づいたら、夜。
『今日も一緒に遊ぼう?』
大っ嫌いなテストの日
ふと解答用紙から顔をあげたとき
右隣から視線を感じて。
ちらっと視線をずらすと
そこには君がいて
目が合うと慌てたように逸らした。
目が合うだけで嬉しくて
くしゃみをするタイミングがあっただけで運命なんか感じちゃって。
話をしているとき、同じことを言ったときなんか胸のドキドキが止まらなくて。
僕には見せない顔で他の人と話してると
ヤキモチやいちゃって。
笑顔がかっこよくて。
ミルクティが大好きで…
でも
チャイムの音で
突っ伏してた重い体を持ち上げて見た
右隣には
君はいないんだよね
雨を見るたび思い出すのは
雨の匂いが染み付いたあなた
傘は無機質だと意味のわからない言葉を残し
足音を雨粒に隠してどこかへ行った
私は全ての傘を捨てた
傘はすごく無機質だから