人の夢を儚いと言って
人の為の偽りと言って
でも
人の憂いを優しさと言って
人の言葉を信じて
人が生きるから「人生」なんじゃない
人に生かされるから「人生」なんだ
「パプリのお母さんならさっきあっちで見た。きみとにてたからたぶん合ってる。
だから、一回おちついて。はなしをきいて。」
爆音は鳴り止まない。
少女は聡い。涙目で言う。
「わかった、がまんする。
はなし、きく。」
少年は頷いて、口を開いた。
「僕は、父さんと母さんとここにきた。父さんが、大きいはなしあいをするから、ウィザードの王さまのいえに行くまえによったんだ。
かえろうとしたときに、ばくはつみたいなのがおきた。父さんは、とびらがひらいたって言ってた。よくわからなかったけど、ふたりはいけっておい出された。父さんは中に入っていったんだ。母さんは僕をここまでつれだして、まってなさいって言って父さんをおいかけた。
僕も行きたかったけど、父さんと母さんに言われたから。中でなにかあったのはわかったから。
そしたら、パプリが中に行こうとしてたからとめた。」
神殿にいた多くの人たちが出てくる。走って逃げている。相変わらず、何かが崩れ落ちるような音だけは止めどなく大きく響いている。
「パプリ、その王さまの子どもしってるか?すごくあたまがいいってきいてるんだ。だから、なにかわかるかもしれない。」
グラスの結露が夏を語る
もう少し
滴るくらいまでは
あなたと一緒にいさせて
浴衣が濡れてもかまわないから
何が入ってるの?
ろくなもの入ってないはずなのに今日もスクールバッグは引きちぎれそう
もう余計なものはいらない 参考書もなんでも全部 川に投げ捨ててやる
わたしにはもう必要ないの
元気にしてる?
なんて言葉は必要ない
思ってもないこと言われるより 心に針を埋め込まれた方がマシ
私は今日も冷たいギターを背負って人ごみをかき分ける
大人になるからって言って純粋な心を売り飛ばす気はない
わたしはわたしのままでこの世界を一から作り直してやるの
今までわたしを蝕んでいた重荷は全部すてて捨てて
悲しさと儚さと夢で入れ替えてやる
方程式の代わりに消えない歌を
わたしはずっと背負っていくの