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持っているもの

手に持ってるものを放り投げた。

一気に軽くなる体。

放り投げられたのは、自分だった。

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LOST MEMORIES CⅢⅩⅤ

どうしようと頭を悩ませる彼女を前に、どうすればいいかわからない子ども2名。
ジュリアの目が光った。
「ジュリアたちはね、指令を受けて人間界にいたの。その指令っていうのが、東雲を鎮めること。今暴れてる狐が、その東雲。」
時間がないのは百も承知である。彼女は説明することを選択した。
「東雲を鎮めないと魔界が危ない。なのに、東雲がここに来ちゃった。それを止めるために、ジュリアたちもここに来た。」
わかったようでわからない。
エルーナの質問、何してたの?どうしてここに来たの?
狐を鎮めろという指令に従っていて、その狐が魔界に来たから追いかけてきた。
その狐は何者なのだろう。なぜ魔界が危ないのだろう。
どうやらジュリアはエルーナの質問に答えただけ。それ以上を説明するつもりはないらしい。
「さっきので、東雲に見つかった。こんなに離れてるのに……。」
悔しそうに言うジュリア。
「君たち二人は、何がなんでも逃がさなきゃ行けない。」
「どうして……?」
思わず声が出てしまった。条件反射だ。
「未来のこの世界を背負う子たちだから。」
3人の隠れていた壁に衝撃が走る。
ジュリアが羽織るマントに、パプリエールとエルーナは包まれた。
「出口は塞がれちゃったけど、絶対に道は作るから。だから、ふたりは必ず逃げて。」
「姉ちゃんは!?」
エルーナが叫ぶ。もはや悲鳴に近い。
「大丈夫、エルをここから逃がすまでは一緒にいる。」
彼女の目はもうこちらを向いていない。
残酷な言葉だった。

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三行ポエム

浅ましい感情が、深い慟哭を飲み込む。
灼熱の怒りが、君の心を凍りつかせる。
何気ない言葉は、一生忘れられない言葉へ。

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たまの休日

君と歩く、風が薫る
ふわり髪をそよがせて
笑い合えば心弾む
お連れしましょうどこへでも
カントリィブルース、軽やかな音色
週末の空は晴れ模様

色が並ぶ街の光り
明るい道とショウケース
当たり前を溶かす場所さ
歩きましょうか、手をとって
カントリィブルース、華やかな音色
週末の空は晴れ模様

長い夜に酔えばふたり
ぬくもり消えず空は白む
鳥が愛を歌う朝の
霧にかくれてくちづけを
カントリィブルース、音は消えて
まだ耳に残るのはほんのかすかな余韻

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歩く

もしも、踏み出す一歩が

自分の一欠片の勇気なら、

君はどうする?

踏み出してみる?

それとも躊躇って、

一歩引くかな

夢を追いかけ続けることは

そう簡単でもなくて

泣きたい日だってあるはず

勇気なんていらない、いらない、いらない

このままでいいよ、僕は、私は、

このままずっとダメダメの人間

わかっているよ、それはいけないって

でもね、もう、できないんだ

戻れないんだ、過去には

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ままごと

泣きそうな顔
やさしいねの言葉と
打算の隠れたナイフの柄
血腥い音の刃はないと
たかをくくっているような
(それそこ!
ひとつきひとおもいに)
二人の間の50センチを
僕の悪意は風に流れる
…もうたくさんだと言う声は
きっと空耳なんだろう