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LOST MEMORIES CⅣⅩⅣ

窓から零れる光が反射し、キラキラとしているその白い髪を、瑛瑠は自分の指でなぞった。
優しいその刺激に、チャールズは反応する。
「お嬢、さま……?」
「あ……起こしてごめんね、チャールズ。」
ぱっと引っ込めようとするその手首を、逃がすまいとチャールズに捕まれた。
「大丈夫ですか!?」
寝起きだというのに、こちらが驚いてしまうほど見開かれた碧い眼。ただでさえ白い肌はさらに白く、まさに顔面蒼白であった。
自分の部屋にいることに状況の把握は遅れているものの、瑛瑠としては軽く卒倒しただけである。それが、どれ程重いかの個人的認識は置いておいて。
「大丈夫だよ。焦りすぎ。」
ふふ,と笑ってみせると、チャールズは脱力したように項垂れる。
「2日も目を覚まさなかった人が、何をおっしゃっているんですか……!」

1

言葉

言葉にならないたくさんの気持ちを、
無理やり言葉にしてみても、
的を射た言葉なんてどこにもなくて、
結局俺の中で気持ちは吐き出せないまま。

そのうちこの気持ちも腐っていって、
心の底まで臭いが充満しちまって、
耐えられなくなってしまうから、
今吐き出してしまいたい。

心の防腐剤なんて何処にも売ってないし、
辛さを受け止めてくれる人もいないし、
吐き出すには言葉にするしかない。
言葉に成れるはずのない言葉に。

0

拝啓

拝啓部活を頑張ってる君へ
君は今日も部活を頑張っていたね。
暑いなか、朝早くから お疲れ様

拝啓最近会えない君へ
君は最近いないね。
暑いからかな? 大丈夫?

僕は君に会えるのを楽しみだよ。
私は君と学校で喋るのが楽しみだよ。

何を話そうか

0

拝啓 大好きな人へ

ある日突然
君はいなくなったね
大きな夢を叶えたいと

いつも何度も思い出す
最後に話したあの日

「私の人生は私のものよ」

そういって最高の笑顔で振り向いたこと
何度も何度も君を抱きしめたこと
涙が溢れて止まらなかったこと

0

LOST MEMORIES CⅣⅩⅢ

チャールズが前に、ものすごく優秀なヴァンピールがいると話していた。それがジュリアだとしたら。
そして、
「チャールズが私のお兄ちゃん……?」
いや、ない。聞いたこともない。
そもそも、王の娘は自分一人のはずだ。
「チャールズ、あなたは一体誰なの……?」

1

太陽

正午、12時

幸せは掴めない貴方の影のようで
太陽は僕らの真上にいて
ただでさえ届かないあなたの手

僕のもとへと伸びてきたのは

夕方、5時

あなたの影は僕のもとへ
太陽次第で僕らの距離は
どんどんどんどん近づいて
まるで僕らの心と心を
太陽がくっつけてくれるように

いつもまにか
あなたは影とともに 
僕の手元にやってきて

そうしたら、僕…

2

なつがおわる。

台風の便りが、熱い風にふかれてきました。灼かれるような夏が往き、とうめいな秋が来るまでのあいだ、ぼんやりと漂う暑さと熱さがいとしくて
この陽が沈むまで眺めていたいのです。

月がぽっかり、わらっています。

0

残暑見舞い申し上げます

薄い雲の向こうに、高い雲
目も眩めと真っ白に光ってる
夏の陽が傾いて、まだ熱い風がふいたよ

1

にちじょう

親が家に帰って
15分すると2階まで いい匂いがよじ登ってくる
魔法使いだ

0

階段

階段を上ったさき
残り三段のところで見えるあなたの姿
私を待つあなたを眺めようとしたけど
すぐに目が合っちゃった
とても、とても、ドキドキする
あなただから