宿題が終わらないのは、気だるげな夏のせい。
君に会えないのも、夏のせい。
夏祭り、それは非日常。
小麦色に焼けた君を見つけた。
これも夏のせいかい?
目が合って、ストップモーション。
パシャ。
私のフィルムに焼き付けて。
その笑顔、わたしにください
だなんてね、笑
非日常の中に見つけた、煌めき。
これも夏のせいかい?
夏のせい、
を重ね続け、気がつけば8月31日。
明日から9月。夏が終わる。
これも夏のせいに
していいかい?
暑くなり始めた6月の夕飯時
となりには特別な君がいる
少し動けば肩がぶつかる狭い店
飲み口のいい冷たい飲み物
火をつけたそれを欲しがる君に
「やめたんじゃなかったでしたっけ?」
なんて言いながら差し出す私
なんてことない顔して
実はさっきから心臓がばくばく言ってるのよ
夢みたいで、大切な現実の思い出
君がとなりにいるだけで
「箸の使い方は」
「咀嚼する音聞こえてないかな」
「今すごい大きい音で飲み込んじゃった」
ただ君がとなりにいるだけなのに
僕は食事はおろか、息をすることさえままならない
いろんな言葉を交わしたのに
いろんなものを食べたのに
もう何1つ覚えていない
覚えてるのはただ、
食事の時は眼鏡を外す君と
光る君の薬指だけ
私の夏はたったそのふたつ
家の目の前の大きな川のそば
大きな花火が上がる
家に帰ろうとすればするほど
どんどん花火に近づいて
ついには花火のほぼ真下
普段は車通りの少ないうちの前の通りも
今日ばかりは大渋滞
おっきな音と、わたしのレンズいっぱいの花火
はしゃぐわたし
振り向けば微笑むお母さんとにいちゃん
たまにはこんな夏も悪くないでしょう?
夏と違って涼しいじゃない?
街も少し閑散とするじゃない?
雨に濡れた落ち葉は滑りやすいじゃない?
だからさ、秋になったらさ、
2人で手を繋いで歩かない?
眼に映るものすべてを感じて
言葉にし続けた10代
ああ、待って
魔法はとかないでおくれ
ああ、どうか
魔法はかけたまま此処に居させて
溢れる言葉と、形にして残したい気持ち
うまく息ができないくらい込み上げる
此処に居させて、
此処でしか息ができない
君の目に映る僕を忘れないで
魔法はかけたまま、一緒に眠ろう
(10代、、なんて5年は幽霊だったのに)(みんなただいま、この台詞ももう何度も言ったね)(オレクマさんだよ)(みんな元気してにしている?)