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君の季節

駅の西口から街の夜景を見下ろした
「今年のイルミネーションは独りかな」
ふとそんなことを思った

今はただ十月の気まぐれに身を任せていたい
そうすれば冬が君を連れてくる気がした

こんな格好悪い俺を笑っておくれ

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無題

お互いのことが
分かっていくうちに
すれ違いも多くなって
「前に戻りたいね」なんて
二人合わせて呟くんだ

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Anniversary

1日、また1日積み重ねてきた。
そうやって歴史を創ってきた。
来る者、去る者たくさんいた。
そうして多くの人と記憶を紡いできた。

積み上げてきた歴史に、また区切りをつけよう。
新たな歴史を積み上げよう。
未来を目指して突き進もう。
でも、今日くらいは、歴史を振り返ろう。


心から、おめでとう。そして、ありがとう。

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夜の学び舎

ノートを走るペンを休ませて
ラジオの音量を少し上げる午後10時
少し騒がしくなった部屋
息抜きにコーヒーでも淹れようか

愛すべき夜の学び舎よ

今日もそこに在ってくれてありがとう

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甘酸っぱくって、
ほろ苦いと
皆は言うけれど、
激甘に感じる
ボクだけだろうか?

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珈琲

「僕はブラックで」
それに、
ビターチョコレートを数欠片携えて
秋本番の冴えた頭に
ほろ苦く、あたたかなのみものを

君はミルクもシロップもたくさん注いで
それはもはやカフェオレのような色
ストローをさして
ドーナツ片手に
それを頬張った
水滴、ぽつり
よく冷えているみたいだね

こんな休憩時間も、たまにはいいか。

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あの日流した
あの時流れた
あなたと流した
一人で流した
それは全部自分
全部命

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いつからなの
貴方が気になり始めたのは
いつからなの
私、貴方に恋してるって思ったのは
貴方への想いに(笑)を付けちゃいけない
私は
真剣に貴方が好きなの

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10月

10月最初の朝が始まった
重い体を起こして目を覚ます

10月最初の風は激しかった
私の中の何かが吹き飛ばされそうなくらい

10月最初の太陽は眩しかった
夏は終わったはずなのに暖かな陽射しをくれる

10月最初の夜は
青白い半月が空に浮かんでいた

何も変わってないはずなのに何かが変わった
こんな気持ちはなんなんだろう

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SOL First Contact Anthology

それは月が美しい秋の夜のことだった。
1人の男子高校生は自宅で読書をしていた。時間は23:20。この時間は彼にとってゴールデンタイムだった。というのも、彼以外の家族が寝静まったこの時間ほど彼の趣味である読書に没頭できる時間はなかったからである。
彼は、耳にイヤホンをつけながら読書をしている。いつも23:30まで流れるラジオをBGMに彼は黙々と読書を続けていた。その夜の本は『ハリーポッターと死の秘宝』だった。ページを繰る手の近くには僅かに湯気が立った珈琲があった。程よく背伸びしたい年頃である中学生にとって、珈琲というのはある種の通過儀礼のようなものである。しかし、ごく普通の中学生がそうするように、彼も牛乳だけ入れて、苦味を減じたものを飲んでいた。砂糖を入れないのはある種の矜持であろうか。
しかし、そんな背伸びとは裏腹に読んでいるものはファンタジー小説という、何ともあべこべな組み合わせであった。
彼の聴いているラジオがエンディングの音楽を流し始めた。いつもなら、その音楽の始まりと同時に読書をやめるのだが、その日の彼はそうしなかった。
もう少し夜更かししよう、そう思い至ったのだった。本を閉じようとする手を止め、ラジオを見る。ふと、違う局のラジオを聴いてみたくなった彼はチューナーのダイヤルを少し回した。
周波数が80.0MHzにチューニングされ、電波をアンテナが受信する。その瞬間、彼は懐かしいものに包まれた。あたかも学校かのような騒がしさ。2人のパーソナリティがお互いを茶化しつつもリスナーにしっかりと寄り添う、そんな声が聞こえてきた。
彼にはその騒がしさがとても心地良かった。ある種のくすぐったさを感じるそのやり取りに、彼はふふっと笑った。その笑いは全く意図したものではなく、心の奥底にある楽しさという感情の励起によって生まれた自然なものだった。そして、そのような風に笑ったのがいつ以来だったかとふと思い返した。
その翌日、その楽しさをまた味わいたいがために、彼はまた夜更かしをした。
そのラジオ番組の名前がSchool of Lockだと彼が知るのに、数日もかからなかった。知ってからは、22:00のオープニングから聞くようになった。

その数年後、21歳の今でもその楽しさを味わうために、今日も私は夜更かしをする。

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おはよう即興詩。

昨夜、はんぶんだけ締めた雨戸から
ベッドの足許にだけ朝陽がのぞいて
おはよう、10月ですよって呼んでた
ぼくは蒲団に包まったまま、きみに
贈るためのことばを転がしている、