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何年も使ってきた青いバスタオルの柄がバラだったこと
に最近初めて気がついた
 
何気ない瞬間にふと何かに気づくこと

小学生の頃に見たスリーピースバンドを組みたいという夢

何気ない瞬間にふと気がついた
あれ?そういえば叶ってる

宝石に光があたったかのように
心がキラキラしてきた

何気ないこと
ふと気がつくこと

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アリとキリギリスの最期

働きアリは
幼い子供の小さな親指に潰された

キリギリスは
幼い子供の小さな親指とかわいい人差し指に挟まれて
虫かごに入れられ死ぬまで働くことは無かった

平等なんてあるわけないよね
それが世界さ

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幸せ

幸せってなんだろう。
恋人がいること、
友人がいること
家族があること、
帰る場所があること
しっかり学べるところ、遊べること
美味しいものを食べられること、
綺麗な水があること、泳げること
などなど思い返したら切りがない。
だけど、それって
「日常」にあることじゃないかな?

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月の涙 13

 電車の中で寝てから妹は見るからに活気を取り戻していた。私はともかく小学六年生の妹にも大分疲れが蓄積されていたようで、今は下がった血圧を上げようとスーパーで買ったおやつに手を伸ばしながら街中をうろついているところだった。
「見つかったかい?」
「はい、一応」
私はスマホを片手に近くに本屋はないかを探していた。先ほどの電車に乗る前の町も田舎っぽいなとは思っていたが、この街はさらに鄙びていた。一瞬ここに本屋はあるのか心配になったが、地図アプリが何とか本屋の場所を見つけたようだった。現在は私が先導でその本屋に向かっている。
「何を買うんだ?」
「? 本ですよ?」
「……いや、君はまだ読んでいる本があっただろう」
「……ああー……っと」
確かに私が背負っている鞄の中にはまだ読みかけの本があった。しかし私にはある一つのたくらみというか、妹へのささやかなサプライズをしようと思ったのだ。
「……私が読む分ではないんです」
その言葉であらかた話の流れを読んだのか、圭一さんは分かった風な顔をしてそれ以上何も聞くことはなかった。心なしか少し楽しそうな顔をしている。圭一さんももとは男の子だけあって、”秘密”というのは魅力的なのだろうか。妹はそんな私たちのことなど意に介さず、見知らぬ街を興味深く見まわしていた。この様子だと妹には聞こえていなかったようで安心した。

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月の涙 12

 電車に揺られて、どれくらいの時間が経ったのだろうか。途中でうとうととし始め、少しの間だけ眠ってしまっていたようだ。目を覚ますとまだ電車はまだ動いていた。時おりがたんごとんという振動が伝わってくる。車窓から見る外の景色はだいぶ暗くなってきたようだが、今は夏本番であり日はまだまだ沈みそうになかった。やはり夜型の人間にこの旅行はだいぶ負荷がかかっていたらしい。私はうんと背伸びを一つすると一つ小さなあくびをした。寝たおかげで疲れは大方取れたようだ。隣を見ると、妹が圭一さんに寄りかかってすうすう寝息をたてている。圭一さんは私にやさしく微笑みかけると、人差し指を唇に持ってきた。妹のあどけない寝顔を守るように私はその意を了承し、それぎり電車に伝わる振動に静かに身を委ねていた。私はこの時間が永遠に続けばと思ったが、電車とは終点に向かう乗り物であり、やがて到着する旨のアナウンスが流れてきた。
 「――……陽波、到着だよ」
 

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バレンタインデーアフター

道端に捨てられていたチョコレートをカラスがついばんでいた