可愛くなりたい…
鏡を見ても目を逸らさないくらいの
可愛い子と並んでも
引き立て役にならないくらいの
やだよ
あなたの隣にいる女の子が
あんなに可愛いなんて
「もうちょっとで元号が変わるな」
『令和、な』
「お前はなんて予想してた?」
『予想?そんなんしてねーよ。予想できちゃつまんねーだろ』
「…、、、元号変わったら令和生まれのやつに馬鹿にされんだろーな」
『無視すんなっ!……でも俺らは昭和町生まれの人を馬鹿にしてる訳じゃないんだから、そんなことないんじゃね?…というか、紙幣も変わるよな?』
「あー…な?誰かわかんねーけど」
『新美南吉じゃなかったっけ?』(違う)
「誰、それ」
『え…ごんぎつねの作者だよな?あれ…違った…?』
「違うんじゃね?…あー、うだうだしているうちに5年後には成人だよなー。信じられん」
『3年後の間違いだろ』
「はっ?俺ら、中3だろ?」
『ああ。んで、俺らの代から成人は18歳だろ』
「…っ!?…無理だ。俺、成人できないわ」
『そーだな。新美南吉も知らないんだもんなw』
「関係あんのか、それっ!?」
逸る鼓動と不規則な呼吸を飲み込み
はねた前髪は手で押さえつける
珍しくアイロンなんかかけたもんだから時間が無くて、お気に入りの靴は履いてこれなかったけど
うまく言えないかもしれないけど
聞いてほしいことがあるの
あのね、