必ず君は成長してるし
それをみて
久しぶりに会うあの子だって思うはず
だから胸張って
昔の友達に
会っていいからね。
冬は夕暮れ
冬は夕暮れがいい
赤く染まる君の横顔を胸に刻もう
そしてその透き通った君の笑顔も
感情の読み取れない声だった。不思議そうな、それでいて哀しげな、切ないともとれるその声。
「なんとなく……そう、なんとなく、だけど。……どうして?」
その声があまりにも突き刺さるから、思わず聞き返す。
「ここだったんだ……」
「え?」
「ここ、見たことがあるんだ、来たことがあるんだ、何回も。小さいとき、ぼくの姉ちゃんがよく連れてきてくれた。」
とても幼く、とても純粋な顔だった。だから、言ってやったんだ。この、生意気で憎たらしい男の子に。
「今も十分小さいよ。」
続く
ずっと
あなたに聞きたいことが積み重なっていて
忘れるのが難しいくらいに
痛くはないけど
大好きなんだ
風邪ひきさんの私は
ひとつ咳を落として
あなたの優しさを
期待していたんだ
着いた場所は海。宙に見せたかった場所。なぜかはわからないけれど、宙と接するうちに、ここだけは見せたいと思った。__それはもしかしたら、もうすぐお別れだという虫の知らせだったのかもしれない。
燃え輝く赤色の夕日は、闇に飲み込まれていく。そんな様子を、しばらく黙って見ていた。だが、そろそろ帰らなければ、祖母が心配する。だから宙に声をかけようとしたのだが、コンマ数秒はやく宙が口を開いた。
「どうして……ここに連れてきたの……?」
続く
会ったこともない人たちが集まって
それでもこんなにもあたたかくて居心地のいい此処が好きです。
みんなの仲の良いのを見るのが嬉しくて。
そしてその仲の良さは少し羨ましくもあります。
言葉だけで知っている人たちと
どこかですれ違っていることを想像するのが楽しいのです。
それでも僕は手を伸ばした
青空の向こうの青に期待して。
君はもう戻らないのに