もう居ないって、
帰ってこないって、
わかっていたけれど。
あの歌をうたったら
あの橋をわたったら
戻ってきてくれる気がした
この夜のままで 星空の下で
閉じ込めてしまったらいいのに
このまま 一人きりで
ここで終わりなんだ ここにいていいんだ
自分だけの世界だった 心地よかった
あれれ?お天気雨だ
まるで君みたいだね
笑っているように泣いている
みんな器用だね
僕は単純だから
泣くか笑うかどっちかしか出来ない
そんなんだから
君の気持ちがわかんないのかな
先のミエナイ暗い道
青行灯は闇の中
あの階段は螺旋のようね
下へ下へ 奈落の方へ
錆び付き 傷つき 辿り着く
stairs tears dorp down
嗚呼、
何処までも 果ては哭く
響く少女の嗚咽 嗚咽
何処までも 果ては無く。終
未だ嘗て
踏み込んだことのない場所なんて
踏み込む勇気なんてないんだ
未だ嘗て
見たことのない自分なんて
これから先も出会えないんだ
君からの電話
君は会いたいと口にした
そのとき雨が降ってきた
雨にぬれながら君のところえいくよ
きみが悲しまないように
君は傘をさしながら 来た
そして私は君の傘に入って帰り道を歩いた
君との別れ道 君はどこか寂しそうだった
私は君に白いリボンを手首に結び
寂しくないようおまじない
そして私たちは家に帰った
私は家に帰って ずぶ濡れの服を着替え
いいことしたかな?
そう呟いた
エヘヘ頭痛いや(ニコ
さみしいとき
なきたいとき
きみに会いたいとき
いつも目をとじるの
だってまぶたの裏には
ちょっとイタズラ顔のきみが笑っているから
君が嫌い
いや嘘
そんなこと思ってないのに
憎しみに変わった愛しさが
我慢できない僕の弱さと交わるんだ
だから僕は言いたいんです
好きです
好きなんだよ
弱々しく首を振るあなたのその
のんびりさも
勿体なさげに僕を諭すのも
もちろん僕の好きな君なのに
雨の日の朝
窓の外の激しい雨音とけむる風景
いつもより遅くに起きてきたきみの寝癖と頬張るパン
コーヒーの匂いときみのにおい
新調した真っ赤な雨傘
ねえ、今日はどこに行こうか
金飾りがこぼれ落ちて、底に沈んでく
そんなことは、つゆ知らず
遠ざかる底に手をのばしてた
長い時が過ぎ
僕は気付く、金飾りがないことを
それはもう辛うじて、煌めきが見えるだけで
とても手の届く距離じゃぁない
まただ…
僕は過去のガラスに手をのばす
今日の金が落ちてゆくことも気づかずに
いつもおなじ、まただよなぁ…
トーラスドーナツ咥えたあなたの
口許にそっと 左手の薬指を
押し当てるけど
どっちが甘い?なんて訊いても
どうせ届かないんでしょう
どうかしてる
透過してる
ある程度の硬さがないと
刺さらない 届かない 伝わらない
すり抜ける 通り抜ける
柔らかすぎるの?
それとも穴が空いてるの?
覗き込めたらわかるのに
ううん わからなくていいから
来世は あなたみたいなひとになりたい
今はいいの あなたがいるから
来年は この指を空っぽにはしないでね
ねずみ色の空でもいいよ
夜になったら晴れるでしょう
世界が色付く音がした
単調なメロディの世界に色が付いていくのが見えた
あなたは、僕を色付く世界に連れ出した
この気持ちはなんだろう…
きっと、この気持ちに名前は付かない
世間にありふれた言葉じゃ言い表すことなんて出来ないんだ
どんな風景より、弾むようなカラフルな音がするこの気持ちには
世界が色付く音がした
きっとこの音に名前なんてないんだ