雨なんてどうでもいい と
すましたふりしてるけど
君のつくったてるてる坊主が
部屋中に溢れてるんだよなあ。
文化祭。
それが行われるのは9月末のことなのだが、準備は早い方がいい。引退前の先輩たちが口を揃えて
「準備は絶対早くやれ。勉強しなくてもいいからやれ。早いに越したことはないんだ。『大丈夫』と言って大丈夫になるなら俺たちは悲鳴をあげていない」
と、ものすごい剣幕で言っていた。ただならぬ切実さを感じた。さすがに試験前に勉強しないわけにはいかなかったが、次のテストは夏休み明け。それまでの間は部活に集中しよう、ということで、俺たちは数少ない本番の一つである文化祭の準備をしていた。
まずは曲を決めなければならない。
ということで
「どうする? 手堅く有名アニメ映画から取ってくる?」
「いや、別に自分らの好きな曲で良くね?」
チームメイトの登場である。
手短に説明すると、アニメ映画推しは朝香真紀。校則ギリギリのヘアスタイルの割に堅実な女子部員。
好きな曲推しは平田春樹。真面目を絵に描いたように見えて実は不真面目な男子部員。
俺たちは4人で組んでいるので、この2人と俺、それに
「私、応援ソングがいいと思う」
桜木ノアの4人である。
地球はもっとゆっくり廻ればいい
こっぷの中ですとろーを巡らせて
ただそんな夢想をする、梅の雨
遠心力は弱まって
雨粒はもっと強く地面を叩くだろうか
それもよいが、そうはならない
きっと今と変わらない雨音だろうさ
惑星誕生
人類誕生
農耕発達
身分社会
長男誕生
独裁政治
次男誕生
両親離婚
戦争勃発
一家離散
戦争終結
兄弟再会
一攫千金
破産宣告
就職活動
過重労働
高速道路
交通事故
惑星衝突
危機一髪
宇宙進出
子孫繁栄
天女の涙で全て流してくれよ
この亡き灰色の世界に用事はないの
忌み子の僕が壊れる前に治しに行くから
君はそのまま眠ってていいよ
揺らしてみせる 千鳥足
力ずくで 当て嵌めたら
朝だってのに 笑えてくるんだ
河原で煙 あげるみたいに
溜息吹いた 吹いて飛ばした
たんぽぽ あれはいつだっけね
とりあえず 昨日のもやもやは
あのこ笑って それでおしまい
スカート揺らしてみせる
可愛いねって 言ってやりたい
小さく煙 あげて
手を合わせても
降られて気づく 雨の街
傘が無いけど 焦れない
川原の石が 色濃くなって
あのこ 嫌いって 言ってた
スカート揺らしながら
可愛いでしょ? って聞かれたい
小さく頷いて
抱きしめてやるのさ
スカート濡れちまったら
君がぽつりとつぶやいて
俺は君の手 掴んでやるから
歩きにくくても ふたりがいいよ
先週予告予定でしたが、就活の忙しさもあり今日になりました。おさら桜09です。
3月ぶり、もう5回目らしいこの企画開催します。
今回のテーマ【色】【雨】
このどちらかをつけてください。期間は今週金曜日まで。ご参加お待ちしております。
ここで私も1つ、投下しておきます。
***
title:爪 タグ:色
上手く塗れなくて、
あなたへのもどかしさは
真っ赤、
打ち上げられた 人魚のひれが
欠けてるの見て 君 泣いた
俺はそいつの 手のひらの傷を
そっとひと撫で 少し痛そうで
身体震わせて 息もできないで
ごめんね マーメイド
最新機種の ボートのせいだと 君がまた泣く
街は祝福のパレードで忙しい
なんでも 新しい ビルが建つんだって
君は何も言わずに 俺に涙 擦る
俺は何も言わずに 2人 青空に溶ける
身体震わせて 君は鼻すする
ごめんね マーメイド
一番人気の おもちゃのせいだと 君がまた泣く
彼女の甥っ子 おもちゃ欲しがる
彼女は笑って トランプをあげた
ハートのダイヤ 少し眺めて
同じ広さの 画面に戻った
ごめんね マーメイド
君の赤い血で
汚れた海に
人は絵の具で中和を図る
ごめんね マーメイド
溶けて 流れてく
散らかる海に
君は流れてく マーメイド
街は祝福のパレードで忙しい
なんでも 新しい ロボットが出来たって
君は何も言わずに 枕に顔 埋めてる
どうしたの?
あの日
電話越しに聞こえる 君の声
雨が落ちる音が君の涙のようで
雨が降ると苦しいんだ
いつでも 星が輝く綺麗な空の夜ならいいのに
正確になってしまった天気予報
はずれる可能性が大きければいいのに
だから私は
十数年ぶりにてるてる坊主さんとご対面
どうか、晴れて。
夏の群青色はあまりにも儚く泡沫のようで
無限に広がっていると信じて疑わなかった宵闇に
華を咲かせた
神社の隅に刹那の火花を散らし
ぽとりと落ちた最後の線香花火
少女の姿も闇に呑まれて消えてしまった
真っ紅な金魚はビニール袋に
揺られ揺られ揺られ
飴細工の金魚はあの子の口に
溶ける溶ける溶ける
人気の無い路地の薄い薄い水溜まりの上
跳ねる跳ねる跳ねる
うろこが光る
夏祭りに消えたクラスメイトのおんなのこ
純白の浴衣に下駄を鳴らす
からん、ころん、カラン、コロン、
ラムネ売りがB玉片手に手招き
儚い儚い脆い脆い
……嗚呼、それでも見たいのかい?
サァサァ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。
そこのお嬢ちゃん。
……お代は何でも、見てのお帰りで結構だよ。
カマトトぶってる
キミの横顔
ゴマカシの利いた可愛さに
オンナのコの夏を見た
リスタートの足取りは軽い
足先から訪れる夏
きみの赤色は無敵だよ
夜を吸いこんだちいさな虫が
ゆっくりと産声をあげる
生産性のない羽の傷あと
深夜二時を告げるラジオ
珈琲の良さがわからないこども
爆発はロマンだから映画は人生で
いつでも旅に出られるように
荷物はできるだけ少ないほうがいい
神さま、あなたの心臓はどんなかたち?
死んだら星になるって信じているひとの
目のなかのきらめきは、つまり いのちだ
久しぶりだね。
みんな元気にしてますか?
なかなか顔を出せなくてごめんね。
私の事覚えてくれてたかな。
忘れてたら無理して思い出さなくていいよ。
こっちは忙しくて疲れます。
でも、楽しい。
数ヶ月前よりはるかに、楽しい。
馬鹿なことで笑える友達ができました。
一緒にお弁当を食べる友達ができました。
毎日毎日楽しく過ごせるっていいね。
たまにはこっちにも顔だそうかなと思います。
見かけたら声掛けてくれると嬉しいな。
それじゃ
またね。
サキホ
あなたと交わした言葉が
あなたとつくった思い出が
全部後になって
自分の心を引き裂くなんて
思ってなかったんだ
1つの単語
1つの表情
1つの仕草
どれもこれも突き刺さって
痛くて痛くて
涙しかでない
動け7月
なにかいいことを連れてこい
動け私
自分の手でいいことを創りだせ
始まる夏に怯んでる暇はないからさ
勿体ぶった言い方はやめて
守る気のない口約束も
夜にチラホラ浮かんでる灯も
猫を被ったあなたみたいで
イラつく頭をシャワーで流す
今日はふたりで 今夜2人で夜を泳ぐ
真っ白な絹の海に波をたてる
一緒に溺れてくれないの?
わかったわ じゃあわたしが
引きずり込んであげる
たんぽぽが咲いている
かけ値なく美しい
ね過ごした休日は
のんびりと流れていった
はな歌まじりのきみの声
なかなか寝心地のいい春だった
階段を一段飛ばしで
一気に駆け上がる
空の色が気になって
配り終えた花のかごに
レインコートをしまうと
疲れ切ったあなたの顔を見つけた
深夜を乗り越えた僕らには
やっぱり朝日が良く似合う