今宵は妖怪たちの祭日…
人さらいの妖怪がこどもたちを次々とさらう
楽しく愉快な祭りへと
気付いた男はこどもたちを連れ戻そうとしている
妖怪の目がギラリと光る
親から愛されたことのないこどもたち
親から愛される夢をみて、
男が引き留めることにも気が付かず
しあわせそうに…
こどもたちは夢を見たまま妖怪の祭りへ
あちらの世界ではしあわせに
今宵は妖怪たちの祭日…
ひとつまたひとつと
消えていく提灯の灯り
そろそろ終わりの時間
あやかしたちも
ひとりまたひとりと
名残惜しそうに消えていく
また来年
A「なあ、突然なんだけどさ」
B「何だい突然に?」
A「好きな妖怪って居るか?」
B「本当に突然だね。……そうだなぁ……。河童とかかな?いろいろ面白い特徴があるから、一度とっ捕まえて調べてみたいなあ。ま、いるわけ無いか」
A「へ、へえ。そうかよ」
B「君は?」
A「俺は、そうだな。人魚。日本版のあの絶妙に不気味な奴。食ったら不死になれるんだっけ?いや、ただの御伽話なんだがよ」
B「ふ、ふーん……。そーか……」
A(これ、俺が実は河童の変化だったってバレたらヤバイ目に遭うやつですかね?)
B(私、人魚の突然変異体だけど、バレたら食べられない?大丈夫かなこれ?)
A・B((絶対にバレちゃいけない……!))
「妙な気配を感じてきてみれば貴様、何者だ!」
俺達と同類か?まぁ、言葉を交わす必要はないか
「グルルルルル...」
「怪獣...?だが人型ということは宇宙人か?」
いや、俺からしたらお前の方が宇宙人だがな
「だが、これほどの力...見過ごす訳にはいかない...」
まぁ肩慣らしにはちょうどいいか
「フゥ...フゥ...」
「ゆくぞ!」
面白い!あれ、体が...まさか神輿が!?今いいとこなのに!
「グ....ウ...」
「何だ...?」
あっマズイ、踏ん張り効かない!
「ウグァァァァァァ!」
何で毎回戦いだって時に神輿が帰ってくるんだよ!
「...なんだったんだあれは...だが、この星の周囲の警備を強化する必要が出てきたな...よし、戻ったら提案してみよう」
大気圏暑いわ...バリア張る時間くらい寄越せよ神輿ィ!
で、戻ってきてしまったわけだ
今年も収穫はあの宇宙人以外ほとんど無しか...
で、また一年待つのかよ...割りに合わなすぎだ、勘弁してくれよ!
さて、やっと今年も私が自由に動ける日が来た!
何が入ってるか知らんがあの神輿重いんだよ!そのせいであれがどっか行くまで動けないんだよ...おまけにあれが境内に戻ると俺も引き戻されるときた
許すまじ、あの霊使い!
ヤツさえいなければ今頃この星の王は私だったというのに!
さて、今年もヤツがどこにいるか探すか...
確か、ヤツは遠方の生まれだと聞いたな...
あと探してないのは...あの月か
大気圏...だったっけ?あれ進みづらいんだよなぁ...
まぁ仕方ないか
向かうまでの間に私の話をしよう
私に名はない、必要ないからだ。だがこの辺の住民は「轟鬼」だの「禍凪」だの勝手に名付やがった。
名前があるとはすなわち存在が完全に認知されること、言ってみりゃ名は枷だ
それはすなわち力を持つ者がが俺達を倒せるということだ
そこを突かれた
当時最強だった俺をヤツはいとも簡単に封印しやがった
だから俺は再び最強となるためにヤツを探す
と、そろそろ着くな...
何もないなここ...都があると聞いていたが更地じゃないかよ!結界とかは俺には無いにも等しいから本当に無いのか...
その癖、変な旗が立ってるし...あれか、都はあの旗を立てたやつに滅ぼされたとかそういうやつか
あれ、なんか飛んできた...
まつりの夜 はざまの夜
屋台の灯り照らさぬ処
神社の鳥居はくぐるべからず
いつの間にやら“あちら側”
あやかし、もののけ、いらっしゃい
白狐の面 般若の面
後ろの正面 紐が無い