学校では良い子の仮面を被って
友達の前では明るく優しい子の仮面を被って
親友の前では明るくボケとツッコミを両立して
担当医の前では本当のことを言うけど
良い子の仮面もかぶる
親の前ではニコニコ笑顔の仮面を被る
仮面をはずすのは一人になったとき
結構仮面をかぶるのって疲れるんだよな。
薄い本とか言葉なんかよりも
欲しいのはウソかホントかの見分け方
おろしたながい前髪のなかで
しみでた汗と涙とアドレナリン
初めてでよくわかんないから
ちゃんと口にだして
白々しいのを
月のリビドー 溶けだす白露
道端の側溝 流れだす滔々と
漏れでる息を吸って意気投合
熱ってるスマホ 放って出掛けよう
光ってた画面より輝いてた
建物の間を縫うようにぬるい風
路地裏の子どもの鋭い眼光
歌声の合間にこぼれる小銭の音
口を抑えた指のすき間から
にじみ出る鳴き声 啼き声 泣き声
したの感触さえも信じたいよ
絡み合う螺旋を勝手にほどいて
愛を孕みたいの 賽を振るの
ハイリスクを肺に取り込んで吐いた
それがバイブル 愛してる
滲みでる汗と漏れでる声は
バイブ バイブル バイブレーション
「さて、少年?どうしてこうなったのか話を聞こうか?」
少女が大男に問うた。
「あー、そうだな、簡単に説明するとだな、まあこれを見てくれ」
そう言って大男は自分のスマホの画面を見せた。チャットアプリの画面が表示されている。少女がその文章を音読した。
「『逃げ足に自信のある奴集合!あの公園でケイドロしようぜ!日時は……』。……何これ。いやね、まあ、それに参加したってことなのは分かった。けどそれでどうしてあんなになるの?君はもっと自分を…まあ死なないし良いのか?」
「まあそういうわけだ」
「まあ良いでしょう。じゃあその時の話聞かせてよ。どういうメンツでやったのさ?」
「えー、メンバーは殆どクラスの男子で、主催者はジョジョだろ、他には」
「待って、ジョジョって誰よ?」
「所沢初だが」
「無茶が過ぎない?」
「そうか?で、他がクラス一の俊足だろ、『お前神か』が口癖の奴だろ、影の薄い奴だろ、二段ジャンプできるやつだろ、」
「ちょっと待って。二段ジャンプってできるもんなの?」
「そいつはできたからなー。んであとは、ジョジョが連れてきたお前くらいちっさい少女」
「ほう。それで?」
「その少女が鬼だったんだが、真っ先にクラス一の俊足がやられた」
「へえ、その子速いんだねえ」
「で、その次に俺がやられた。逃げるときに枝に引っ掛けるか何かしたんだろ」
「引っ掛けるのは服くらいにしてほしいよ……」
「んで、そこからが長かったな。鬼は二段ジャンプ使いを追ってたんだが、相手は空中を上手いこと逃げるからなかなか捕まらない。その間に影の薄い奴が解放に来たんだが、あの鬼、20mくらい離れた距離からそれに対応しやがったんだ。けど何故かそいつも捕まえるには至らない」
「はー。そんなことあるのか」
うるさい心臓の振動が
いつまでたっても落ち着かない
冷めてたのは僕だけど
冷たかったのは君だよね
ぼくの空を見て
ぼくのそばにいて
音信不通は普通ですか?
使い道がなかったから
行くも戻るも気が進まない
夏の天井も雪の結晶も
春の花粉も秋の風邪も
誕生日には歳を重ねて
大晦日には年を越して
手を握って手を繋いだ
足を組んで胡座を掻いた
お風呂はまだちょっと恥ずかしいね
でもおふとんはふたり一緒ね
起きたときにノータイムで
あなたの顔が見たいから
目の前に増えてく食材
調理の仕方を忘れた私は
呆然と増えてく山を眺めてる
どうにかしなくてはと
手を付けた
途端に崩れる山
そしてまた
積み重なり増えていく
食べてくれる人がいるから
私は、料理をする気になった
でも、誰にでも限界はある
でも今は
だから今は
また今は
積み重なり増えていく
そろそろ限界が来そうだ