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これは

さすがに君を好きな人だって
いるんだろうなぁなんて
思ったあの夜

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すき、だいすき

現実に戻って気がついた
1枚の写真も残ってないな
そのせいか
ふわふわした夢みたいな記憶で
ほんのちょっと寂しくなったり
でもね
頭の中に溢れてくる記憶や
手の元に残った証拠が
私に教えるんだ
君は生きてるよ
私の近くにいたよ
大好き
どうしようもないくらいに
大好き

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑧

「…確かに」
ただわたしから”異能力を知るキッカケになった人達”を紹介してもらうなら、わざわざ鷲尾さんを呼ぶ必要はない。じゃあなぜ…
「あ~、それはね」
亜理那は少し間をとって答える。
「わたし1人だとサヤカから情報引き出せる自信がないから! あとハルカにその事教えたら絶対それが誰か知りたがっていい圧力になると思ったし」
え、とわたしと鷲尾さんは軽く凍り付く。
「あ、圧力…」
内容も内容だけど、いつもの彼女からは考えられないような言葉を繰り出した亜理那に、わたしは唖然としてしまった。
鷲尾さんもあきれたように下を向く。
「そう! 圧力! あとわたしよりもハルカのほうがそういうの得意だし…」
「いやそんなワケねーわ」
あきれ切っているわたし達を気にせず、いつも通りに話を続ける彼女に鷲尾さんは軽く反論した。
そんな突っ込むも気にせず、亜理那はわたしに向き直る。
「と、いうワケでさ~サヤカ、その人達の事教えてくれない? お願いっ!」
そう言って、彼女はぺこりと頭を下げた。
「お、お願いって…」
一生のお願いと言わんばかりに頭を下げる亜理那に、わたしは戸惑った。