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世にも不思議な人々㊺ 敬う人その1

どーも皆さん私です。能力名『蛍の光』、住之江少年を治す少女です。
先日、ふと気まぐれに外に出かけたときのことです。
用水路の縁に座り込んで一人で楽しそうに話している男の子を見かけたもので、奇妙に思い近付いてみたのです。背丈は私と同じくらいだったので恐らく小学生でしょう。
どうやら用水路の中の何かに話しかけているようです。普通なら小二病かと思って放置するのですが、今回ばかりは何か直感が働き、つい話しかけてしまいました。
「ねえ、君、何と話してるの?」
「んー?あなた誰?」
「私?んー、魔法使いだと思ってもらえれば」
「ふーん、そりゃ随分と怪しい肩書きだ」
「で、何と話してたの?」
「せーあ様と話してたの」
「せーあ様って?」
「せーあ様はカエルの神様だよ。この辺りのヌシをやっていて、小さい生き物達はみんなせーあ様を敬ってるの」
せーあ……青蛙(せいあ)神のことかな?
「へー、そのせーあ様は昔からここにいるの?」
「いやー?昔は居なかったんだけど、少し前から出てきて一緒にお話をするようになったの」
「ふーん。そうだ、君、名前は?」
「えー、先生が知らない人には名乗っちゃいけないって」
「それならしょうが無い。君、最近見えない何かに話しかけられた覚えは無い?」
「うーん、無いなー」
「じゃあ頭の中に音楽が流れてくることは?」
「僕音楽好きだから、そういうのはいつものことだしなー」
「じゃあ最近、決まった曲が何度も流れてきたことは?でなきゃ、そのせーあ様と話すときとかにも」
「うーん……、あったような……無かったような
……ってあれ、せーあ様居なくなってる」
「あららごめんなさい。私と話してる間に」
「良いの良いの。せーあ様とはいつでも話せるから」

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メリケン・ダンス

雲になって ふわふわやってこう
とかくこの世に飽き飽きしたから

厨二病にはお別れのキスして
オマケに唾吐いて逃げちまうよ。

メリケン・ダンス 殺せ 愛憎
メリケン・ダンス 愛せ 愛すことを

夢なんかじゃねえんだって
信じちゃくれないか お前も

明日は誕生日だったね
つまんないもんだけどやるよ。

メリケン・ダンス 暮らす ことを
メリケン・ダンス 君は やめた

明日が来るんですかなんて俺には聞かないでよ
踊るしか能がないし踊ってりゃ全部許せんだ
メリケン・ダンスが終わってんだってこと
俺にだけは教えないでくれよ。

メリケン・ダンス 世界は ことごとく
メリケン・ダンス 消してった らしいんだ

メリケン・ダンス 猫を抱いてたね
メリケン・ダンス ハンドスピナ 放り投げた

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夏が終わる

嬉しさ、悲しさ
楽しさ、悔しさ
ぐちゃぐちゃに混ぜこぜ

泣けない僕の代わりに鳴いてくれよ、

余力で騒ぐ蝉たちに乞う。

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ベイビースキップ

薄っぺらの毛布の中で、5歳の俺とキスをしたよね?

どうだか。そんなの忘れたよ。

俺だけか、置いてかれてんの。もう忘れちまうかな。

ムリだよ、ずっと覚えてる。そういう星の元に生まれて んの。

あぁ、そっか。じゃあもう一度キスしてよ。あの感覚は思い出せなくてさ

思い出にラベルを貼ろうか。そうすればもう忘れないよ。

じゃあ二度目のキスって書いて貼るよ。いいかな?

ギターをどけてよ。顔を寄せにくいから。

それは嫌だよ。今曲作りしてんだ。これはいい曲だよ。

だから呼び出したわけ?私にしかラベル貼ってないもんね。

ごめんね。わざわざ、ワルツでも弾こうか?

いらない。ねぇ、星は流れてどこへ行くのか、私はわかっちゃったよ。

シスターハチコが言ってたじゃん。答えはあれだけだろ?

違うよ。でもまた今度ね、シンデレラの魔法が溶けちゃうから。

そうか、じゃあね。

「やっぱり忘れなくっちゃね。そろそろ」

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出会い

この前たくさんの音楽に出会った
本当に素晴らしいアーティストの素敵な曲達に

とんでもなく大きなパワーをもらった
汚くて残酷で嘘つきなクソみたいな世界を生き抜いていくパワーを

彼らの曲は光だ
この先に進んでいく光だ

本当にたくさんの光に出会えた
こんな世界でもたくさんの光が見える僕はとても幸せものだ
まだまだ世界は光が溢れている

そんなことを思わせてくれる彼らは僕の道標だ
本当にありがとう

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雨曝し

普通の人間にも
特別な人間にも
なりきれなかった僕らだから
居場所などとうになかった
僕がうずくまるこの部屋は
この世界のどこでもなくて
いっそ忘れ去られた僕らだから
好き勝手言っても気にも留めなかった

それでも自分のことを
善だと信じて疑わないから
やっぱりこの「僕」ってやつは
どうしたってたちが悪い

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あのさ

わたし、あなたのお姫様になってもいいかな

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晩夏の詩人

きみの指先をなぞりながら
ぼくの輪郭がわからなくなる
君に恋をすればするほど
僕は愛がわからなくなる
ため息の代わりに愛を吐きたい
舌打ちの回数を愛に変えたい
スニーカーの裏側で
日に日に死にゆく僕らの影は
過ぎた春の残り香でした

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童と餓鬼

僕らは童なんでしょうか
親達は神なんでしょうか
親達は子供に罵声を浴びせ
逆らうものは許さんとばかりに殺そうとする
ああ
せめてこの悪魔から抜け出したいけど
そこにはやっぱり親達がいる
もはや親達は童なんでしょうか

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自分を

好きになれなくてもいいから
認められるようになりたい

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嘘と本音

馬鹿みたいだねって吐き出した歌を呑み込んだ
そうだねって苦笑いして噛みちぎった
もう何も残ってない淋しいだけのアルペジオ