音楽が好きだった。
ジャンルなんてなんでも良かった
君と一緒に聴いていられれば
それで良かったのかもしれない
音楽が嫌いになった。
君はもう隣にいない。
私と同じくらい貴方も傷つけばいい
私と同じくらい貴方も泣けばいい
私と同じくらい貴方に穴が空けばいい
時間で癒すには少しばかり愛を失いすぎたので
明日は社会を休みます
結月視点
玲?いや、まさか。ありえないか。でも、玲もあんな境遇だ。もしかしたら、僕みたいに生き別れの兄弟姉妹がいるかもしれない。一回家に連れてってみるか。「ねえ、結月。わたしね、結月に前に会ったことある気がするの。…結月、覚えてない?」身に覚えはない。「いつ?どこで?それが分かったら思い出せるかも」「えーっとね、三年ぐらい前。わたしが、夜中に公園でうずくまってて、悪いおじさんたちに絡まれてたの。その時、結月に似た子が助けてくれたの。」そんなこともあったような、なかったような。「多分、会ったことあるよ。」そう答えると、「ホント⁉」と満面の笑みを向けられた。その笑みに頷いた。そうすればいつの間にか、面会時間は過ぎていた。
それから一週間。瑠衣が無事に退院して、今日家に来てもらうことにした。まずは、美月と時雨ちゃんに会わせた。「初めまして。中村時雨って言います。」「初めまして、川上美月です。」それから二人は普通に瑠衣と話していた。瑠衣については後で二人にも聞いてみるとしよう。
美月視点
瑠衣さん、だっけ。彼女は何かがおかしい。14歳だというのに、この幼稚さ。何か隠しているのか、それともただの発育過程で異常が起きてしまったのか。それだけだろう。だが、なぜ玲さんに執着するのか。彼女にある、この違和感の原因はきっと玲さんだろう。
「瑠衣さん、お姉さんのことは好きですか?」
「うん!大好き!」
その言葉にもその笑みにも嘘偽りはないのだろう。
明日死んで生まれ変わっても
当然君を好きになる
記憶なんてまるでなくっても
もう一度君を好きになる
そんな感覚 鈍い痛み
夕陽 どろり 舐め尽くして
とりあえず完全に 絶望するまでは
浮腫んだ頭 振り回してみる
決めた 君には教えよう
決めた 君には伝えよう
失敗は誰でもしてしまう
人を傷つけることだってたまにはある
人と関わって生きていく上では仕方ない
でも、それを反省できなくなったらダメだな
進んでいく人生の中で、たまには後ろを向こう
待ち構えてる荊の道で転ばないように
灯る 世界 2つ目の
宵闇に なだめられて
紅い 目玉 とれて
車の音 恥ずかしげな
雨に打たれて 横たわる街並み
風に吹かれて なびいてる街並み
背中合わせ 枝分かれ
遠い闇 いずれ触れる
燃える車 おどけて
世界から 抜け出すよ
メッセージ性のない
言葉ばかりだから
拙い嘘をつき続けるだけ
地学の問題集を開いても
あなたのことが浮かばないのと
おんなじ様に
電気消してって言われると
君のことを思い出すんだ。
たくさんの木にかこまれていた
そのなかでふわっと咲く花
ひとりなんだって
さびしかった
慣れない言葉ばかりじゃ
届かないのが当たり前
なれないオトナばかりで
踊れないのは悲しいね
枯れない声を欲しがって
枯れた花をみては泣いた
アレコレぜんぶ欲しがって
誰彼かまわず愛をふりまいた
もう 前の席の君に好きだなんて言えない
言うつもりもない
だって、あの子の隣の席で嬉しそうだったもんね
でも 君の一番の応援者になれたらいいな
そして、たった一つ君へ伝えたい言葉は
これからもずっと勝手に好きでいてもいいですか?
声は夜空に消えてった…