何も無いと思ってしまう
でも、何も無いわけでは無い…
やること、やれること、やらきゃいけないこと
全部ある
でも、何も無いと思ってしまう…
何でだろう 何でだろう 何なのだろう
よく分からない
きっと、充実はしてる?のだろう…
楽しんではいるのだろう…
でも、何故かあ~感じている
何故だろうか…何なのだろうか…
いつまでたってもあなたが来ない
一人分温度の下がったベッドで
手のひらがきみを求めて動いてることに
未だに気づけないぼくが寝ている
伝ワレ
コノ思イ
コノ感情
コノ声
伝ワレ
祈ッテモ 届カナイ
叫ンデモ 届カナイ
声ニ出シテモ 届カナイ
伝ワレ
伝ワレ
ナゼ
伝ワラナイ
嗚呼
ソウカ
簡単ナ コトダッタ
「おはよう」
柔らかな声と日差しに包まれ、なんだかくすぐった。でも、そっと口を開いてはにかむように下を向いた。久しぶりのことで、声帯の反応も悪いのだろう。言いたいことはたくさんあるのに、声にすることは難しい。小さな声で何度か音を出す。耳の下がツンと痛くなった。そんなことすらも、なんだかうれしい。
よし、今なら言える。きっと。
呼吸の調子を整え、そっと口から温かい春の空気を吸った。
「おはよう」
秋は
夏と冬の境の ほんのわずかな時間
気づかない人もいるほど
夏に 冬に
同化している
夏の色と 冬の色に
グラデーションをかけたなら
間のほんのわずかな色の薄い数ミリの空間を
秋と呼ぶだろう
夏の歌と 冬の歌に
かき消された
けれど
確かに存在する
ほんのわずかに聞こえる低音弦楽器で演奏されているであろう音楽を
秋ノ唄と呼ぶ
少なくとも
私は。
秋が好きな
私が。
カンダタが糸登りに疲れて、少し休憩と下を見ますと、何と他の亡者達もどんどん登ってきているのでした。あれだけの量の亡者、一人でも切れてしまいそうな細い糸に、どうして耐えることができましょうか。
「こら罪人ども!この蜘蛛の糸は……」
しかしここでカンダタ、言葉を止め考えました。もしも自分が今やろうとしていたように下手に騒いだりすれば、その振動で糸が切れてしまうかもしれない。幸いにもまだ糸は切れていない。では今必要なのは糸への錘を減らす事ではなく。
「おいお前ら!急げ!急いで登って来るんだ!しかし決して下手に糸を揺らすんじゃあないぞ!一人ずつ!一人ずつだ!隙間を作らず慎重に俺のところまで登って来い!」
亡者達がその通りカンダタのところまで隙間を作らずにカンダタの足のすぐ下のところまで登ってきますと、亡者の身体が梯子のような役割を果たし、カンダタの思惑通り糸への負担が軽減したのでした。
(へっへっへ、俺の思った通りだ。今必要なのは『負担の軽減』ではなく『糸の補強』!これで下の奴を踏みながら登っていけば、糸はきっと切れないだろう。極楽浄土へ行くのもいよいよ夢じゃねえな!)
そしてとうとうカンダタの手が、極楽浄土に届きました。そして全身を引き上げると。
「よくやった亡者ども!お前らのお陰で『俺だけは』極楽浄土に辿り着けたぜ!じゃ、お前らはこれからも永遠に地獄で苦しみな!」
そう言って糸を引きちぎってしまいました。
「ハッハッハッハ!こりゃあ良い!こいつぁあ傑作だな!あの阿呆共め、見事に騙されやがって。さあて、極楽巡りでもするか……ん?」
ふと気付くと、彼の身体に何かが覆い被さってその影で周りが暗くなっていたようです。
「ん?一体何だぁ?これは……え」
振り返るとそこには。
「う、うわあ!何だ、何なんだお前!嫌だ、や、止めろ、来るな、来るなぁ、うわあああああ!」
結局彼も地獄へ逆戻り。そこからは皆さんご存知の通り。
極楽ももうお午近くなったのでございましょう。
者が勝者なのだ。世の中カスばかりだとしたら、カスこそが勝者なのだ。
紡いできた命が今 星になって
眠れぬ夜を過ごす人を 見守るのだ
光はたまに見失い さみしくなる
零れてゆく涙を拭って歩こうか
優しい人が 多すぎるから
優しさがわからなくなる
誰かの腕の中で 生きていることを
時折り 平気で解いてしまうのだ
出来なくて怖くて 辞めたくて
見えない恐怖に怯えている
光はたまに私の心に 灯を燈す
溢れてゆく幸せを気づけずに落としてしまう
さみしい人が 多すぎるから
埋め方もみんな違うから
さみしさはまた増すばかりだ
紛らわしてはまた浮いてくるな
優しい人が 多すぎるから
優しさがわからなくなる
誰かの腕の中で 生きていることを
時折り 平気で解いてしまうのだ
眠れぬ夜にまた馳せた想いは
夜空を伝う