もうダメだ
もう無理だ
諦めようって思ってたのに。
そんなふうに君が笑うから
まだすこしだけ期待してしまう
一目「なあ聞いてくれよ!」
阿蘇「どうした一つ目小僧」
一目「見ちまったんだ!」
阿蘇「何を?」
一目「妖怪!」
阿蘇「妖怪がなんか言ってら」
一目「うっせえ。化物が言うなコラ」
阿蘇「何を見たって?」
一目「山彦だよ。あの犬っぽい妖怪」
阿蘇「はあ?山彦は既に科学で説明されてるんだぜ?ただの音の反響だぞ?」
一目「それがそこをさっき歩いてたってんだからミステリーだよな」
阿蘇「まあ俺らみたいなのが居るんだから妖怪の一匹や二匹居てもおかしくないわな」
一目「それもそうか」
飽きないから 舐め続けている
剥かれた飴を見た時
心から 愛おしく思い
口に入れることにした
それが 秘密の共有にも似ていて
それが 弱者への義務にも似ていて
なんの罪悪感もなく 口にほおりこんだ。
甘苦いkyandhi 境界線のぼやけた
暗い部屋 Sunday 導火線を湿らせた
枯れないから 食み続けている
剥かれた飴を撫でたり
あちこち確かめたあとで
単純だと笑う
もうずつとずつと長い閒或る人に手紙を書き續けてゐます。いえ。手紙と云ふにはあまりに粗末で恥づかしいものです。一度も貴方にその手紙を屆けたことはありません。きつと死ぬまでないでせう。なぜなら私は丸っきり貴方が誰なのかすら分からない。ただ貴方はずつとずつと昔に死んでしまつた。それ以外本當に、貴方が何處の誰かも、齡も男かも女かも全く分からないのです。しかし今も何處かに確かに貴方はいる。すぐ隣りあるいは背後、いいえとんでもなく遠く遠くにゐるのかもしれません。
そして私は貴方に手紙を書き續けなければいけないのです。片時も休まずに、この投函することのできない手紙を書き續けなくては成りません。人はみな私のことを狂人だと云ひます。家族にも、友人にも戀人にも恐れられ見捨てられてしまつた。みな私のことをひどく氣持ちの惡い化け物を見るやうな目で見る。それでも私は手紙を書き續けなくては成らない。これが一生の贖罪であるかのやうに。
貴方は一體何處の誰なのでせうか。私は一體何者なのでせうか。もう全て分からなくなつてしまひました。
世の中は生き辛く死に辛い處です。生と死は平等でなくてはなりません。けれどみな死んではいけないとばかり云ふ。それなのに私を見ては恐ろしいことばかり囁きあつてゐる。
本當に、何も、信じることは出來ないのです。老いて死ぬるまで私は手紙を書き續けるよりほかありません。やはりこれは贖罪なのだと思ひます。きつと貴方を殺したのはこの私だ。罪は償はなくてはなりません。
嗚呼、死ぬこともままならなくなつてしまつた。
なんでもないのに泣いた日に
「なんでもないのに泣いたっていい」じゃないよね、
涙は許可制ですか
泣くつもりはなかったと
いったい私は誰に向けて